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富士通が銅を高濃度で回収する新廃水処理システムを国内初導入
富士通が、銅を含有する工場廃水から効率的に銅を回収する東芝の新しい水処理システムを日本で初めて導入、本日から運用を開始すると発表。廃水から90パーセント以上という高濃度な銅を効率的に回収するとともに、廃水処理に使用する薬品の種類を4分の1に低減できる。
廃水処理の過程では、重金属や水分などを含んだ固形物質であるスラッジが生じる。工場廃水中に含まれる銅は粒子径が細かく、ろ過抵抗が高い性質を持つため、これまでは凝集沈殿処理という分離沈降を促進する廃水処理薬品を用いる水処理方法が行われており、薬品由来のスラッジが発生していた。
今回導入された新排水処理システムでは、廃水をろ過する際に磁性体の機能粉を用いることで、中和剤以外の薬品を使用せずに、効率的に銅を回収すること可能。従来は処理薬品などの不純物が含有された多量のスラッジ(35トン/月)が生成されていたが、本システムでは、少量で高濃度な銅含有スラッジ(5トン/月)を生成することができ、従来に比べ売却額の高い有価物として回収できる。また、ろ過した後の機能粉は磁気により容易に分離することができ、システム内で循環・再利用が可能なため、運用コストを従来比で約40パーセント削減、処理時間や、設置スペースも約50パーセント低減することが可能だという。
今回のシステムで高効率に回収される銅は、国内リサイクル資源が既に重要な原材料供給資源となっているものの一つである。しかし、物質・材料研究機構によると日本の都市鉱山には、金が約6800トンと世界の現有埋蔵量の約16%、銀は60000トンと22%におよび、他にもインジウム16%、錫11%、タンタル10%と世界埋蔵量の一割を超える金属が多数あるものの、その活用はあまり進んでいない。銅などのリサイクル資源の活用が進んでいる資源と同様に、これらレアメタル・レアアースのリサイクルも高効率化することを期待したい。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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