【相場展望】大勢はギリシャ・スペイン問題、世界景気減速懸念に神経質な展開

2012年6月3日 10:50

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【来週(6月4日~8日)の株式市場見通し】

■前週末の欧米株安と円高進行で週初は軟調スタート、下値模索も警戒

  来週(6月4日~8日)の日本株式市場については、週初は一時的に下値を模索する可能性があり、週後半の自律反発期待は欧米市場の落ち着き次第となりそうだ。

  前週末1日の海外市場では、中国5月PMIの悪化、ギリシャ問題やスペイン問題の不透明感、米5月雇用統計や米5月ISM製造業景気指数の悪化など悪材料が相次ぎ、リスク回避の動きが加速して欧州および米国株式市場が大幅に下落した。外国為替市場では一時1ドル=77円60銭台、1ユーロ=95円50銭に円高が進行した。このため週初4日の日本株式市場は軟調なスタートが避けられないだろう。

  日本株式市場では前週末1日の終値で日経平均株価が8500円台を割り込み、TOPIXが東日本大震災後の最安値に接近していた。このため米5月雇用統計に備えたリスク回避の売りが、ある程度は出ていた可能性もあるが、それでも1日の海外市場の状況を受けて軟調展開は避けられず、週初は一時的に下値を模索する可能性があるだろう。

  その後は大勢として、ギリシャ問題については6月17日の再選挙まで不透明感が続き、スペインの銀行経営不安に対しても神経質な状況が続くことに変化はなく、ユーロ圏の要人発言を巡って揺れる形だろう。

  そして足元の主要経済指標の悪化を受けて、世界的な景気減速懸念が一段と強まる可能性があるだろう。ただし一方では、追加金融緩和に対する思惑や期待感が広がる可能性もあるだろう。

  日経平均株価、TOPIXともに前週まで9週連続の下落となり、売られ過ぎ感も強まっているだけに、自律反発の期待も高まっている。ただし自律反発は欧米市場の落ち着き次第となりそうだ。需給面では海外勢の売り圧力が低下するかが注目点となるだろう。

  海外の主要株式市場や外国為替市場の動向を睨みながら、引き続き神経質な展開が続き、好材料銘柄の個別物色が中心の展開となりそうだ。

  なお、前週の海外の状況を簡単に整理しておくと、ユーロ圏では、スペインの大手銀行バンキアに対する資本増強策を巡って報道が交錯する場面もあり、スペイン10年債利回りが上昇するなど警戒感を強めた。ギリシャ再選挙に関しては、連日報道される事前の世論調査を巡って不透明感を強めた。主要経済指標で景気減速に対する警戒感も強めた。

  1日には、アイルランドのEU新財政協定批准の可否を問う国民投票の開票結果が発表され、賛成60.3%で承認された。またドイツの財務省報道官は1日、欧州委員会が提案したスペインの財政赤字削減期限の延長を支持する考えを示した。ユーロ圏の重債務国に対して弾力的に対応する用意があることを示したと受け止められている。

  米国では、1日に発表された米5月雇用統計で非農業部門雇用者の増加数が市場予想を大幅に下回った。米5月ISM製造業景気指数が悪化したこともあり、欧州と米国の株式市場は大幅下落し、外国為替市場では円高が急速に進行した。

  中国では、1日に発表された5月製造業PMI(購買担当者景気指数)が4月に比べて悪化し市場予想も下回った。ただし追加金融緩和や景気刺激策への思惑や期待感もあり、中国株式市場の反応は限定的だった。

  なお外国為替市場ではリスク回避の円買いの動きが加速した。週末1日の海外市場ではギリシャ問題、スペイン問題、米5月雇用統計の悪化などで、1ドル=77円60銭台、1ユーロ=95円50銭台に円が上昇する場面があり、終盤は1ドル=78円00銭近辺、1ユーロ=97円00銭近辺だった。

■注目スケジュール

  来週の注目スケジュールとしては、国内では4日のマネタリーベース、8日の4月経常収支、5月貸出・資金吸収動向、5月景気ウォッチャー調査などがあるだろう。

  海外では、4日のユーロ圏4月生産者物価指数、米4月耐久財受注改定値、米4月製造業新規受注、5日の豪1~3月期経常収支、豪中銀理事会、独4月鉱工業受注、ユーロ圏4月小売売上高、ユーロ圏5月総合・サービス部門PMI改定値、米5月ISM非製造業景気指数、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、カナダ中銀金利発表、エバンズ米シカゴ地区連銀総裁の講演、6日の豪1~3月期GDP、独4月鉱工業生産、ユーロ圏1~3月期GDP改定値、ECB理事会(金利発表と記者会見)、米地区連銀経済報告、米住宅ローン・借り換え申請指数、米1~3月期労働生産性・単位労働コスト改定値、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、ウィリアムズ米サンフランシスコ地区連銀総裁の講演、6日~7日の英中銀金融政策委員会、7日の豪5月雇用統計、米4月消費者信用残高、米四半期資金循環統計、米新規失業保険申請件数、バーナンキ米FRB議長の議会証言、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁の講演、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、8日の豪4月貿易収支、韓国中銀理事会、独4月貿易収支、仏4月貿易収支、英5月生産者物価指数、米4月貿易収支、米4月卸売在庫、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁の講演などがあるだろう。

  その後の注目イベントとしては、9日の中国5月CPI・5月PPI・5月鉱工業生産・5月小売売上高・5月固定資産投資、10日の中国5月貿易統計、13日のニュージーランド中銀政策金利発表、ユーロ圏鉱工業生産、米5月小売売上高、14日のスイス中銀金融政策発表、米5月消費者物価指数、米1~3月期経常収支、14日~15日の日銀金融政策決定会合、15日のユーロ圏4月貿易収支、米6月ニューヨーク州製造業景況指数、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、17日のギリシャ再選挙、18日~19日のG20首脳会議、19日~20日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、20日~21日のECB理事会、21日のユーロ圏財務相会合、22日のEU財務相理事会などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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