【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】ギリシャ問題に対する警戒感でユーロ売りの流れ継続

2012年5月20日 11:53

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:5月14日~18日のユーロ・円相場】

■1ユーロ=100円台前半に円が上昇する場面

  5月14日~18日のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=100円20銭近辺~103円30銭近辺のレンジで推移した。週末18日の海外市場で、終盤は1ユーロ=101円00銭近辺だった。

  大勢としてユーロ売りの流れが継続した。ギリシャの連立協議が決裂して6月17日再選挙が確定したこと、ギリシャの国内銀行から7億ユーロ規模の預金が流出したことで、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性と、離脱による世界の金融システムに与える影響が警戒された。

  また、スペイン銀行大手バンキアで10億ユーロ以上の預金が流出したと報道された(政府は否定)こと、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、スペインの銀行16行の格付けを引き下げたことも警戒感につながった。18日にはギリシャの最新世論調査で、緊縮財政支持の連立与党が過半数を獲得できる見通しとの報道もあったが、反応は限定的だった。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末11日の海外市場では概ね1ユーロ=103円10銭台~50銭台で推移した。ギリシャ政局不透明感が強い状況だったが、概ね小動きだった。終盤は1ユーロ=103円20銭~30銭近辺だった。

  この流れを受けて週初14日の東京市場では概ね1ユーロ=102円90銭台~103円30銭台で推移した。ギリシャの連立協議や欧州市場の反応を見極めたいとして小動きだった。終盤はユーロ買い・円売りやや優勢で1ユーロ=103円20銭近辺だった。14日の海外市場では1ユーロ=102円20銭台に円が上昇した。ギリシャの連立協議が難航して6月再選挙の可能性が高まったことや、スペインの国債利回りが上昇したため警戒感を強めた。終盤は1ユーロ=102円30銭~40銭近辺だった。

  15日の東京市場では概ね1ユーロ=102円20銭台~80銭台で推移した。ギリシャの連立協議の行方を見極めたいとして小動きだったが、終盤にかけては、独第1四半期GDP速報値が市場予想を上回ったことでユーロ買い戻しがやや優勢になった。終盤は1ユーロ=102円80銭近辺だった。15日の海外市場では1ユーロ=102円00銭台に円が上昇した。ギリシャの連立協議が不調に終わり6月再選挙となったことを受けて、ある程度織り込み済みだったとはいえユーロ売りが優勢になった。ギリシャの国内銀行から7億ユーロ規模の預金が引き出されたことが明らかになったこともユーロ売りにつながった。終盤は1ユーロ=102円10銭近辺だった。

  16日の東京市場では概ね1ユーロ=101円80銭台~102円30銭台で推移した。ギリシャ問題に対する警戒感でリスク回避のユーロ売りがやや優勢だったが、概ね小動きだった。終盤は1ユーロ=102円10銭台だった。16日の海外市場では概ね1ユーロ=101円90銭台~102円60銭台で推移した。序盤は、ECB(欧州中央銀行)が各国の国債を買い支えるとの観測が広がり、スペインやイタリアの国債利回りが低下したことを受けてユーロ買い戻しがやや優勢になった。ギリシャ再選挙が6月17日に決定したことで一旦は落ち着きを取り戻し、メルケル独首相がギリシャのユーロ圏離脱を阻止する姿勢を示したこともユーロ買い戻しにつながった。しかしECBが資本不足に陥っている一部のギリシャの銀行に対する資金供給を停止したとの報道を受けて、終盤にかけてユーロ売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=102円00銭~10銭近辺だった。

  17日の東京市場では概ね1ユーロ=102円10銭台~30銭台で推移した。欧州時間帯の動きを見極めたいとして終日小動きだった。終盤は1ユーロ=102円20銭台だった。17日の海外市場では1ユーロ=100円50銭台に円が上昇した。スペイン中期債入札では落札利回りが上昇したが予定額を調達したため反応は限定的だった。しかし、スペイン銀行大手バンキアで10億ユーロ以上の預金が流出したとの報道で警戒感を強めた。米経済指標が低調だったことや、日銀の追加緩和観測が後退したこともユーロ売り・円買いにつながった。終盤は1ユーロ=100円60銭~70銭近辺だった。

  18日の東京市場では概ね1ユーロ=100円20銭台~80銭台で推移した。急激なユーロ売りの動きが一服する場面もあったが、終盤は再びユーロ売り優勢となり1ユーロ=100円40銭~50銭近辺だった。18日の海外市場では概ね1ユーロ=100円40銭台~101円00銭台で推移した。ギリシャの最新世論調査で、緊縮財政支持の連立与党が過半数を獲得できる見通しとの報道もあり、ユーロ売りが一服した。終盤は1ユーロ=101円00銭近辺だった。

  ユーロ・円相場に関しては、4月27日の日銀金融政策決定会合、5月6日の仏大統領選決選投票とギリシャ総選挙を経て、その後のギリシャの政局不透明感やユーロ圏離脱懸念などで、ユーロ売りの流れが継続している。

  スペインやイタリアの国債利回り動向に神経質な状況に変化はなく、銀行からの預金流出の動きなどにも警戒感を強めている。ユーロ圏の景気減速に対する警戒感が強いこともユーロ売りにつながっている。当面は5月22日~23日の日銀金融政策決定会合、23日のEU首脳会議、6月1日の米5月雇用統計などが焦点だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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