住友金属鉱山、HV・EV用二次電池正極材料の生産設備を増強

2012年4月20日 11:48

印刷

 住友金属鉱山は19日、車載用二次電池正極材料の中間材である水酸化ニッケルプリカーサー、およびその原材料である硫酸ニッケルの増産起業を行うと発表した。

 自動車市場においては、省エネルギー、環境負荷低減意識の高まりから近年ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)の販売量が急速に増加している。HV・EVの普及には高性能の二次電池が欠かせないが、住友金属鉱山は以前より、自動車メーカー等と共同で車載用二次電池正極材料の開発に注力し、供給してきた。

 住友金属鉱山は、車載用二次電池需要の高まりに伴い、正極材料の販売量が今後さらに増加するとともに、二次電池正極材料メーカーにおいてその中間材である水酸化ニッケルプリカーサーの需要も増加するものと予想し、今回、同社の磯浦工場(愛媛県新居浜市)において水酸化ニッケルプリカーサーの生産設備を増強することとした。これにより、住友金属鉱山の水酸化ニッケルプリカーサーの生産能力は月800トン増加し、およそ月1,500トンとなる。工事の完成は2012年9月を予定しているという。

 また、住友金属鉱山は、ニッケル工場(愛媛県新居浜市)にて、一般めっき向けや二次電池正極材料の原材料となる硫酸ニッケルを年間25,000トン生産している。
 
 今後、車載用二次電池市場の拡大に伴い、正極材料向けを中心に硫酸ニッケルの需要がさらに増加すると見込まれている。このため住友金属鉱山は、播磨事業所(兵庫県加古郡播磨町)内に新たな硫酸ニッケルの製造設備を建設することとし、原料から二次電池正極材料までの一貫した生産体制をさらに強化するとともに、社外の硫酸ニッケル需要拡大に対応していく。これにより、同社の硫酸ニッケルの生産能力は年間20,000トン増加し、既存設備と合わせて年間45,000トンとなる。工事の完成は2014年2月を予定しているという。

関連記事