「黄砂」対策で新年度相場はまず改正介護法関連株で「サクラ満開」を先取り余地=浅妻昭治

2012年3月26日 13:05

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

四国・高知県から全国初の「サクラ」の開花が伝えられたと思ったら、今度は九州地方で「黄砂」が初観測された。遠く中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から砂嵐で捲き上げられた砂塵が、偏西風に流されて九州地方に落下したのである。

四国・高知県から全国初の「サクラ」の開花が伝えられたと思ったら、今度は九州地方で「黄砂」が初観測された。遠く中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から砂嵐で捲き上げられた砂塵が、偏西風に流されて九州地方に落下したのである。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  四国・高知県から全国初の「サクラ」の開花が伝えられたと思ったら、今度は九州地方で「黄砂」が初観測された。遠く中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から砂嵐で捲き上げられた砂塵が、偏西風に流されて九州地方に落下したのである。毎年繰り返される気象現象・気象情報だが、こと今年に限っては気象庁が、まるで兜町の後追いで発信したような奇妙な符合がある。

  兜町も、日経平均株価が、1万円台の大台を回復して「サクラ」が開花したのも束の間、「黄砂」よろしく中国の上層部の権力抗争が伝えられ、製造業購買担当者景気指数(PMI)が低下したことが響いて、1万円台大台の攻防へと変わってしまったからだ。

  しかもこの「黄砂」、流され運ばれた先は兜町だけにとどまらない。さらに遠方の米国・ウォールストリートにも落下したらしく、NYダウも、続落してしまった。中国景気の減速は、前々から懸念されていたものだが、これとは別に米国景気は、回復軌道に乗っていて、円高一服や、日経平均株価の1万円台乗せのエンジンとなっていただけに、NYダウへの「黄砂」効果は、少なからずネガティブ・サプライズとはなった。

  「米国よ、お前もか?」という失望である。日本はもともと外需頼みで、米国や中国が「クシャミ」をすれば、日本が「風邪を引く」経済構造となっているが、もっとフトコロの深いはずの米国が、中国の景気減速懸念で花粉症気味というのだから、おやおやと市場参加者の猜疑心を刺激してしまったのである。

  さて今週、3月最終週は、月替わり、年度替わりで、28日から実質新年度相場入りとなる。新年度入りで新規資金の流入期待もある一方、「黄砂」現象なども観測されると、果たしてこのまま、日経平均株価の1万円台乗せの相場シナリオを新年度相場にスライドしていいものかと疑問が浮上することとなる。そこでである。もともと、自力材料に乏しい兜町ではあるが、4月新年度入りで自力材料が浮上するセクターを中心に相場シナリオを再構成することも、当然の相場選択肢となるはずである。

  その一番手の候補セクターは、4月に改正法が施行される介護保険法関連株である。この関連では、前週末23日に東証第1部指定替え承認を発表したデイザービス事業所数・利用者数で国内トップのツクイ <2398> が、同時にその改正法への前倒し費用の計上で今3月業績を下方修正し、好悪材料の綱引きとなった。週明け後の同社株の株価反応は、関連セクターの先行きを占う試金石になる。「サクラ」の開花から「黄砂」現象を押し返して「サクラ」の満開を示唆してくれか注目ポイントである。

  同社株以外では、2004年から2007年にかけて兜町を「介護バブル」で賑わせ、ついには介護報酬の不正請求でパニックに陥れたあのグッドウイル・グループ系列の介護大手コムスンの介護施設を譲り受けた介護事業大手が、関連株として注目を集めることになる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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