丸紅、英国の洋上風力発電設備据付会社を産業革新機構と共同で買収

2012年3月21日 11:17

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Seajacks社保有船(写真:丸紅)

Seajacks社保有船(写真:丸紅)[写真拡大]

 丸紅は19日、産業革新機構と共同で、英国にて洋上風力発電設備据付の大手であるSeajacks International社(シージャックス社)の事業を、米国投資ファンドのRiverstone Holdings LLC社より100%買収することに合意したと発表した。丸紅及び産業革新機構は各々50%出資する。今回の案件は、今後、飛躍的な市場拡大が見込まれる洋上風力発電事業をターゲットにした特殊船による据付事業への日本企業として初の本格参入となる。

 シージャックス社は、英国を中心とした北海地域において、洋上据付サービス専用の特殊船を保有し、洋上風力タービン発電機の据付ならびにオイル&ガス洋上プラットフォーム設備へのサービスを主要業務とし、業界でのリーディングカンパニーとして更なる成長が期待されている。

 再生可能エネルギーによる発電が盛んな欧州において、洋上風力発電は欧州各国政府の強い推進政策の下で急速に成長しており、北海において今後10年間で約40,000MW(新規原子力発電所約40基分の発電量に相当)の洋上風力発電所の新規建設が計画されている。洋上風力発電の据付用特殊船による据付サービスへの需要は非常に高く、さらに今後拡大するメンテナンスサービス等の事業機会にも積極的に取組んでいく方針。

 丸紅は、これまで海外で累計約96,000MWの発電所建設EPC(Engineering, Procurement & Construction)の実績を有し、ネット保有発電容量で約8,700MWの発電資産を保有している。既に発電所のオペレーション・メンテナンス事業への展開を進めており、丸紅が保有する経験・ノウハウを活かし、今回、洋上風力発電の据付事業へ本格参入する。洋上風力発電事業においては昨年11月に英国ガンフリート・サンズ洋上風力発電事業へ参画しており、シージャックス社の買収により洋上風力発電業界におけるバリューチェーンの拡大を図っていく。再生可能エネルギーの中でも洋上風力発電は技術革新により大容量で効率の良い発電技術として更なる拡大が見込まれており、将来、洋上風力発電の導入が見込まれる北米や日本、その他のアジア地域における事業展開も目指していく。

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