フィールズ:大震災の影響で『CRヱヴァンゲリヲン7』を第4四半期にシフト

2012年2月6日 18:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■同業他社は第3四半期に新機種を集中

  フィールズ <2767> (JQS)は2日、今12年3月期第3四半期連結業績を発表した。

  売上高430億61百万円(前年同期比39.7%減)、営業利益22百万円(同99.8%減)、経常利益1億6百万円(同99.1%減)、純利益11億32百万円(同82.5%減)と大幅減収減益であった。

  翌日3日に本社で決算説明会が開催された。代表取締役社長大屋高志氏は、「3月11日に東日本大震災がございまして、当然自粛と半導体部品のサプライチェーンの大打撃に伴いまして、上期はほとんど商戦がございませんでした。結果として、第3四半期、第4四半期に商戦が来るということは分かっていました。私達がその様に考えるのと同じで、他のメーカーさんも第3四半期にターゲットを絞り、『北斗の拳』『必殺仕事人』等の大型タイトルを投入することがかなり早く前から分かっていました。では、私達はどうするべきか考えました。この第3四半期の12月の商戦に『CRヱヴァンゲリヲン7』を入れるべきかどうかが問題となりました。実は1月に新台の供給がないのは分かっていて、ホールは12月に新機種を導入しているので、新機種の全くない1月に当社の新機種をホールに渡すべきだと判断しました。それで、いくつかの新機種を第4四半期に早めにシフトしました。その中で最たるものは、『CRヱヴァンゲリヲン7』でした。それで第3四半期にはビッグタイトルが無くなってしまいましたので、営業活動だけという状態でした。損益的にはギリギリでした。そのような状況下で、ソーシャル向けのゲームコンテンツを1つ出していまして、このゲームコンテンツが結構な売上と利益を計上しましたので、結果として赤字になりませんでした。その他のトッピックスとしては、ミズホの第三者割当の取得予定を発表させていただいております」と同社の売上の牽引役である『CRヱヴァンゲリヲン7』を第4四半期に投入することを説明した。そのため、第3四半期は大幅減収減益となったが、第4四半期に売上拡大を見込んでいるため、今通期連結業績は、当初予想を据え置いている。

■パチンコ・パチスロの稼働状況は10年を上回る、パチスロは活況を呈す

  第4四半期のビッグタイトルの投入状況については、「パチンコの『CRヱヴァンゲリヲン7』は既に稼働しています。パチスロ『ヱヴァンゲリヲン~生命の鼓動~』は現在受注を行っています。3月度のタイトルは未発表ですが、かなりの大型タイトルとなる予定でございます」と第4四半期に大型タイトル3機種を予定していることを明らかにした。

  パチンコ・パチスロ業界全体の稼働状況については、「パチンコについては、3月の震災で、前年同月で比較するとはかなり悪かったのですが、5月ぐらいには前年同月と同じ稼働状況となりました。夏以降は前年を上回り、12月までは、前年同期比でキャッチアップしている状態です。多分1月は前年を上回っているのではないかと思います。パチスロについては、良い機種が出たということもございますが、11年は完全に10年に対して上回っています。パチスロの活況は数字を見れば一目瞭然でございます」とパチンコ・パチスロの稼働状況は前年を上回っている。

  第3四半期までの同社の遊技機の販売実績は、パチンコ機12.5万台(前年同期比11.6万台減)、パチスロ機7.3万台(同6.4万台減)と前年同期比で大幅な減少となっている。しかし、第4四半期にビッグタイトルが投入されていることから、販売台数の急回復が見込める。

  エンタテイメント事業の業績については、売上高59億99百万円、営業利益△1億77百万円であった。セグメント別の業績は、モバイル事業の売上高15億64百万円、営業利益41百万円、スポーツエンタテインメント事業の売上高14億78百万円、営業利益△35百万円、その他の事業の売上高29億57百万円、営業利益△1億83百万円となっている。

■第3四半期は大幅減収減益だが、第4四半期でカバーし通期では増益を見込む

  12月末現在の財務内容は、流動資産309億55百万円(前期末比200億96百万円減)となっている。主な内訳は、現金及び預金140億20百万円(同18億53百万円減)、棚卸資産45億14百万円(同31億56百万円増)。固定資産は、309億17百万円(同29億97百万円増)。内訳は、有形固定資産108億6百万円(同7億17百万円増)、無形固定資産47億43百万円(同3億27百万円減)、投資その他の資産合計153億67百万円(同26億7百万円増)となっている。

  流動負債は、遊技機販売に伴う仕入れ債務の減少と未払い法人税等の減少により、113億15百万円(同162億72百万円減)。固定負債は、社債の償還で41億48百万円(同2億14百万円減)となっている。

  純資産は464億8百万円(同6億13百万円減)と利益剰余金の減少により目減りしている。

  純資産が減少しているが、流動負債が大幅に減少したことから自己資本比率は74.3%と15.1ポイントアップし、大幅に改善している。

  今12年3月期通期連結業績予想は、売上高1,000億円(前期比3.5%減)、営業利益140億円(同6.6%増)、経常利益140億円(同2.3%増)、純利益80億円(同6.4%増)と減収ながら増益を見込んでいる。

  大震災の影響で、ビッグタイトルの投入を第4四半期にシフトしたことから、第3四半期までは大幅減収減益となったが、第4四半期に売上を拡大し、当初予定の数字を達成する計画。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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