豊田通商、中国に自動車解体リサイクル会社を設立

2012年1月25日 20:47

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 豊田通商は25日、中国の現地リサイクル企業や昭和メタル(本社:埼玉県越谷市)と合弁で、中国四川省成都市に自動車解体リサイクル会社を設立することに合意したと発表した。

 現在、中国では使用済み自動車(以下、ELV)について、手作業、人海戦術中心での処理作業のため時間を要しており、また、環境対応が万全とは言えない状況にある。急速な経済成長と共に、今後2020年には4.5倍以上に拡大すると予想されるELVの、効率的かつ環境対応をした処理が社会的にも求められている。このような状況を背景とし、豊田通商は、中国内主要地域を調査した結果、中国国内でELV処理ニーズの高い四川省成都市においてリサイクル会社を設立することを決めた。

 今後、2012年春よりリサイクル工場の建設に着工し、同年秋頃には完成する見込み。今回設立する自動車解体リサイクル工場では、ELVを鉄、非鉄、部品などに分離し、中国国内で販売する。また、工場のコンセプトは、「中国のELV解体モデル工場」・「環境、安全、高生産性」で、最大処理能力2,000台~3,000台/月の先進的工場建設を計画している。

 豊田通商は、約40年前からELVのリサイクル事業に取り組み、国内にバリューチェーンを築いてきた。今回、四川省成都市に設立するリサイクル工場を足がかりに、他地区においてもリサイクル会社の設立を計画し、中国においてもELVリサイクル・バリューチェーンの構築を目指す。その結果として、中国における環境問題解決に貢献していく方針。

 なお、今回の事業は経済産業省「平成22年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費(中国における自動車リサイクル事業に関する実施可能性調査)」の支援を受けており、同省が推進するインフラ・システム輸出の一環としての取り組みとなる。

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