【外国為替市場を検証:ドル・円相場】年末年始を控えて取引が閑散とする中小幅レンジ

2011年12月31日 16:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:12月26日~30日のドル・円相場】

■30日の海外市場で1ドル=76円80銭~90銭近辺に円が上昇

  12月26日~30日の週のドル・円相場は、年末年始休暇を控えて取引が閑散とする中、週前半は概ね1ドル=77円70銭近辺~78円10銭近辺の小幅レンジで推移した。しかし週後半になるとユーロ圏債務危機問題に対する警戒感でユーロ売り・円買いの動きが強まり、ドル・円相場でも円買いが優勢になった。円売り市場介入に対する警戒感が後退したことも円買いの動きにつながった。週末30日の海外市場では1ドル=76円80銭~90銭近辺に円が上昇した。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末23日の海外市場では、概ね1ドル=78円00銭台~10銭台で小動きだった。序盤は良好な米主要経済指標を受けてドル買いがやや優勢だったが、その後はクリスマス休暇で取引が閑散とする中、膠着感を強めた。終盤は1ドル=78円10銭近辺だった。

  この流れを受けて週初26日の東京市場では、概ね1ドル=77円90銭台~78円10銭台で推移した。26日の英国市場や米国市場が休場となることもあり、閑散取引で小動きだった。26日の海外市場では、概ね1ドル=77円80銭台~78円00銭台で推移した。英国市場や米国市場が休場のため手掛かり材料難となり、閑散取引で小動きだった。

  27日の東京市場では、概ね1ドル=77円80銭台~78円00銭台で推移した。手がかり材料難となり閑散取引で小動きだったが、終盤はドル売り・円買いがやや優勢だった。27日の海外市場では、概ね1ドル=77円80銭台~90銭台で推移した。米10月S&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比3.4%低下して市場予想より弱かった。12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)は64.5で8カ月ぶりの高水準となり市場予想を上回った。しかしいずれも市場の反応は限定的だった。

  28日の東京市場では、概ね1ドル=77円70銭近辺~90銭近辺で推移した。11月鉱工業生産速報値は前月比2.6%減少だったが、反応は限定的だった。終盤はドル売り・円買いがやや優勢だった。28日の海外市場では、概ね1ドル=77円50銭台~78円00銭台で推移した。ECB(欧州中央銀行)のバランスシートが過去最大に膨らんだ一方で、民間銀行の準備預金残高が過去最大となったため、ECBが期間3年の流動性供給オペを実施したにもかかわらず、流動性が低下しているとの警戒感につながり、ユーロ売り・ドル買いの動きとなった。この流れでドル買い・円売りがやや優勢になる場面もあった。終盤は1ドル=77円90銭近辺だった。

  29日の東京市場では、概ね1ドル=77円70銭台~90銭台の小幅レンジで推移した。ユーロ売り・円買いの流れで、ドル売り・円買いがやや優勢だった。29日の海外市場では、概ね1ドル=77円60銭近辺~80銭近辺で推移した。イタリア10年債の入札では発行額が目標上限に届かなかったが、平均落札利回りが6.98%となり前回(11月末)入札時の7.56%に比べて小幅ながら低下した。欧米株式市場では一定の安心感につながったが、外国為替市場では利回りの高止まりとしてネガティブに反応し、ユーロ売りが加速する展開となった。終盤は米国長期金利の低下も受けて、ドル売り・円買いがやや優勢だった。

  30日の東京市場では、概ね1ドル=77円50銭台~70銭台で推移し、ドル売り・円買いがやや優勢だった。30日の海外市場では、1ドル=76円80銭~90銭近辺に円が上昇した。年末年始休暇を控えて取引が閑散としたが、ユーロ売り・円買いの流れが加速したため、ドルに対しても円を買う動きが強まった。円売り市場介入に対する警戒感が後退したことも円買いの動きにつながった。

  ドル・円相場に関しては、リスク回避の円買い圧力、米FRB(連邦準備制度理事会)の量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、ドル買い・円売り市場介入への警戒感などが交錯する状況に大きな変化はないだろう。

  そして市場の関心がユーロ圏債務危機問題に集中しているため、動意に乏しい状況が続いていたが、今週は年末年始休暇を控えて閑散取引となる中でユーロ売り圧力が増し、ドル・円相場ではドル売り・円買いの動きが強まった。円売り市場介入に対する警戒感が後退したことも円買いの動きにつながった。

  年初に予定されているユーロ圏主要国の国債入札、そして12年1月にも発表の可能性がある欧州各国の国債格付け引き下げ、さらに12年1~3月期のイタリア国債大量償還に対する警戒感が強いだけに、ユーロ売り圧力が継続する可能性は高く、ドル・円相場でもリスク回避の動きが強まりそうだ。欧州各国の国債入札や流通利回りの動向に注意が必要だろう。

  ただし一方では、良好な米主要経済指標を受けて米景気の先行きに対して楽観的な見方も広がり始めているだけに、年明け1月6日の米12月雇用統計で動意付く可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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