丸紅と東芝、インドネシアで地熱発電プロジェクトを受注

2011年12月13日 15:18

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案件所在地(画像:東芝)

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 丸紅は13日、東芝と協調し、インドネシアのPT GEO DIPA ENERGI社向けに、パトハ地熱発電所1号機案件を受注したと発表した。

 地熱発電は、掘削によって地下深部から天然蒸気を取り出しタービンを回すことによって発電する方式で、温暖化ガス(CO2)排出が少ない再生可能エネルギーとして注目されている。

 同プロジェクトは、インドネシアジャワ島西部バンドン郊外に、東芝製地熱蒸気タービン・発電機を含む、設備一式納入および建設工事を両社で一括して請け負い、総出力約55メガワットの発電所を建設する案件。運転開始は2014年の予定で、プロジェクト資金はインドネシア国営のバンクネガラインドネシアより貸付の予定。

 丸紅は同国最大のスララヤ石炭火力発電所、ムアラタワール複合火力発電所、タンジュンプリオク複合火力発電所等多数の発電所建設(EPC)実績を擁し、同国の国営電力傘下の既設発電所容量の約20%(約6,000メガワット)の電力供給に寄与している。また、電力事業(IPP)の分野においても、大型石炭火力発電所2基を所有する他、今年6月には同国南スマトラ州で新たに地熱発電プロジェクトに参画するなど、積極的に地熱発電所開発を推進している。

 一方東芝は、1966年に日本国内初となる松川地熱発電所に地熱蒸気タービン・発電機を納入して以来、北米、東南アジア、アイスランド等世界各国に52台、約2,800メガワットの発電設備を納入し、世界トップの24%のシェアを占めている。今年は、3月のニュージーランド・テミヒ地熱発電所を皮切りに、今回の案件で3件目の連続受注となり、東芝製地熱タービン発電機の技術力が世界的に評価されている。また、インドネシア向け火力発電については、建設中のタンジュンジャチB石炭火力発電所3、4号機を含めると12基のタービンを4発電所に納入(約4,200メガワット)、水力については26台の水車を11水力発電所に納入(約1,500メガワット)と、高いシェアを誇っている。

 今回の案件は、丸紅のインドネシアでの豊富な発電所建設実績に裏づけられるプロジェクトマネージメント能力と、東芝の地熱蒸気タービン・発電機の機器性能、信頼性が高く評価され、受注に至ったもの。 インドネシアは約28,000メガワット相当の地熱発電開発ポテンシャルを有するといわれる世界最大の地熱資源国である一方、地熱発電の活用は約1,000メガワットに留まっている。

 同国は昨今の急速な経済発展に伴い電力需給のひっ迫が著しく、また2004年より石油の純輸入国に転じていることから、石油資源への依存を減らしつつ、電力需給ひっ迫を解消することが急務となっている。この状況下、電力エネルギー源の分散化の一環として、インドネシア政府はIPP事業を含め、2025年までに約10,000メガワットまで地熱発電量を拡大することを計画、推進しており、インドネシア最大の援助国である日本政府による円借款事業を含む多数の地熱発電案件が計画されている。

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