川崎重工、海洋エネルギーを利用した「潮流発電システム」の開発に着手

2011年10月19日 13:03

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潮流発電のイメージ図(画像提供:川崎重工業)

潮流発電のイメージ図(画像提供:川崎重工業)[写真拡大]

 川崎重工業は19日、再生可能エネルギーの一つとして期待される海洋エネルギーを利用した「潮流発電システム」の開発に着手したと発表した。

 潮流エネルギーは世界中に広く分布しており、気象や天候の影響を比較的受けにくく、発電量が安定していることから、その実用化が有望視されている。

 同社は、船舶や舶用推進器、各種調査船、多様な海洋構造物等の開発・建造実績を有しており、さらに高効率を誇るガスタービン発電プラントなど、幅広いエンジニアリング技術を用いて、様々な事業を展開している。これらの技術を活用し、独自の優れた高効率で信頼性の高い、世界市場で競争力のある製品となる、「潮流発電システム」を開発する。

 今回、同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」において、「海洋エネルギー発電システム実証研究事業」の実施企業に採択された。

 同事業では、発電事業者としてこれまで風力や太陽光等の自然エネルギーの系統連系など多くの実証研究で蓄積してきた技術・ノウハウを有する、沖縄電力と沖縄新エネ開発の協力を受け、沖縄海域での実証実現に向けて検討していく。

 今後、実証試験に向けた技術開発を加速し、海洋エネルギー開発で世界の先端を行く英国スコットランドの実証フィールド欧州海洋エネルギーセンターEMEC(European Marine Energy Center)での本格的な試験を予定している。

 さらに、英国など世界で今後大きな発展が見込まれる大規模プロジェクトへの参画や、日本国内での商用発電など、グローバルな事業展開へ向けた動きも進めている。

 同社は、これまでに、小水力発電システム、バイオマス、風力および太陽光などの再生可能エネルギーの利用技術・製品も提供してきた。「潮流発電システムも含め、今後も温室効果ガスの削減、限りある資源の有効利用等を通じて、世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献していく」と同社はコメントしている。

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