トヨタホーム、スマートハウス実現に向けHEMS、蓄電池、EV・PHV充電器などを開発

2011年10月12日 20:19

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HEMS、家庭用蓄電池、EV・PHV充電器、非常時給電システムの連携機器構成(画像提供:トヨタホーム)

HEMS、家庭用蓄電池、EV・PHV充電器、非常時給電システムの連携機器構成(画像提供:トヨタホーム)[写真拡大]

 トヨタホームは12日、スマートハウス実現の中核技術となる、ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)、家庭用蓄電池、EV・PHV充電器、非常時給電システムを開発したと発表した。

 これらは、「家と車のエネルギー連携」を実現する技術であると同時に、「Vehicle to Home」(車から家への給電)の先駆けとなる技術となる。HEMSを中核に「車との充電連携」と「車・家庭用蓄電池からの非常時給電」など、車両との連携システムを実用化したのは国内初となる。

 開発したHEMSおよび家庭用蓄電池は、デンソー、ミサワホーム、新神戸電機との、また充電器は豊田自動織機、日東工業との共同開発によるもの。いずれの機器も近く販売を開始するトヨタホーム新商品に搭載する。

 HEMSは、太陽光発電、エコキュート、蓄電池といった家庭内のエネルギー機器およびEV・PHVをつなぎ、“見える化”や“制御”により、エネルギーとCO2削減に寄与する。例えば、系統電力と連系した蓄電池を備えることで、ピークシフトにより、系統電力の負荷が高い時間帯に買電を抑制できる。また、通信でのサービス機能を持つ「トヨタスマートセンター」と連携し、外出先から施錠忘れの確認・施錠やエアコンのオン・オフ、帰宅前のお風呂のお湯張りなど便利で安心な機能も有する。
 
 家庭用蓄電池は、HEMSとの連携により、深夜に充電して昼間のピーク時の系統電力消費を抑制することができ、時間帯別電灯契約の場合は安価な深夜電力を充電することでコストメリットを出すこともできる。また、非常時給電システムと組み合わせて、停電時にリビングなど特定の部屋の照明器具・コンセントなど最低限の作動が可能。電池容量は8.4kWh(使用時の蓄電量は5kWh)。

 充電器は、HEMSと連携し、過度の電力消費を抑制するピークカット機能、タイマー充電に加え、太陽光が発電している時の優先充電機能、といった「充電制御」を実現。充電ケーブルを一体として備えているため毎日出し入れする手間が不要で、ケーブルや充電コネクターをすっきり収納でき、機能とデザインを両立した。
 
 非常時給電システムは、災害などによる停電時でも生活に最低限必要な電力を外部電源から得ることで、生活の安全・安心を確保することができる電力供給システム。家庭用蓄電池や、トヨタ自動車のエスティマハイブリッドをはじめ、今後拡大するAC100Vを供給可能なハイブリッド車などの外部電源からの電力で、住宅内の機器を動作させることが可能。停電時には、住宅内の「回路切替スイッチ」を切り替えて外部電源から家庭内に電力を送る。

 今回開発した機器・システムは、家と車のCO2削減実現による「環境」への貢献に加え、電力のピークシフトをはじめとする「節電」にも役立ち、非常時に「安全・安心」をもたらす技術となる。トヨタホームは、これらの機器、システムを新築住宅向けに供給し、エネルギーの効率利用に役立ていく。また、HEMSは「次世代エネルギー社会システム実証事業」を活用して今後さらに進化させていくという。

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