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【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】一時1ユーロ=103円90銭台まで円が上昇
【外国為替市場フラッシュ:9月12日~16日の週のユーロ・円相場】
■週末には1ユーロ=106円近辺に円が下落
9月12日~16日の週の外国為替市場でユーロ・円相場は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念と、それに伴う金融システム不安で、ユーロが乱高下した。週初12日には一時1ユーロ=103円90銭台まで円が上昇し、01年6月以来のユーロ安・円高水準となった。しかし日米欧の主要中央銀行による協調ドル資金供給措置などで、週後半には1ユーロ=106円近辺に円が下落した。
ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末9日海外市場では、1ユーロ=107円60銭近辺でスタートした後、ユーロ売りが加速して1ユーロ=105円30銭台まで円が上昇した。01年7月以来のユーロ安・円高水準だった。ECB(欧州中央銀行)のシュタルク専務理事の突然の辞任報道に対して、ギリシャなどへの金融支援策に関するECB内部の意見対立が警戒された。ギリシャ政府がデフォルトを宣言するとの噂も広がった。ギリシャに対する金融支援に関しては、EUとIMF(国際通貨基金)の合同調査団が審査を中断していることもあり、警戒感が強まった。終盤はギリシャ財務省のデフォルト否定声明を受けて、ややユーロが買い戻されて1ユーロ=106円近辺で推移した。
この流れを受けて週初12日の東京市場では、序盤は1ユーロ=105円台前半で推移したが、ギリシャのデフォルト懸念が強く、短期筋の仕掛け的な動きもあり、ユーロ売りが加速して1ユーロ=104円00銭台まで円が上昇した。その後一旦は1ユーロ=104円台半ばに戻したが、終盤には01年6月以来となる1ユーロ=103円90銭台まで円が上昇した。G7財務相・中央銀行総裁会議(9日~10日)に対する反応は限定的で、11日にはギリシャ政府が固定資産税増税などを盛り込んだ追加緊縮財政措置を発表していたが、デフォルト懸念を払拭するに至らなかった。12日の海外市場では、1ユーロ=104円10銭台~20銭台でスタートした後、ECBによるイタリア国債購入報道を好感して1ユーロ=105円50銭台までユーロが買い戻された。その後一旦は1ユーロ=104円70銭近辺に円が上昇したが、イタリアが中国の政府系ファンドに国債購入を依頼したとの報道を受けて1ユーロ=105円70銭台にユーロが買い戻された。トリシェECB総裁がユーロ圏の銀行に対して資金供給を無制限で実施すると表明したこともユーロ買い戻しにつながった。
13日の東京市場では、1ユーロ=105円台半ばでスタートしたが、イタリア国債入札を控えていたうえに、ギリシャ国債利回り上昇でユーロ売りが優勢となり、終盤は1ユーロ=104円50銭台に円が上昇した。13日の海外市場では、1ユーロ=104円台半ばでスタートした後、1ユーロ=105円50銭台に円が下落した。イタリア国債入札は低調だったが、独仏ギリシャ首脳が14日に電話会談を実施するとの報道を受けてユーロが買い戻された。
14日の東京市場では、1ユーロ=105円30銭近辺で推移した後、一時1ユーロ=104円50銭台に円が上昇する場面もあった。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、仏銀行大手のソシエテ・ジェネラルとクレディ・アグリコルの格付けを引き下げたこともあり、ユーロ売りが優勢になった。その後は1ユーロ=105円近辺に戻した。14日の海外市場では、一旦1ユーロ=104円60銭台に円が上昇した後、1ユーロ=105円50銭台に円が下落した。独仏ギリシャ首脳の電話会談でギリシャへの支援継続が表明され、ユーロ買い戻しが優勢になった。
15日の東京市場では、1ユーロ=105円10銭台~60銭台でモミ合う展開だった。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるイタリア国債格付け引き下げの噂などで様子見ムードも強まった。15日の海外市場では、1ユーロ=105円60銭~70銭近辺でスタートした後、一時1ユーロ=106円90銭近辺に円が下落した。ECB(欧州中央銀行)、米FRB(連邦準備制度理事会)、スイス国立銀行、イングランド銀行、日本銀行が協調してドル流動性供給措置を表明したため、金融不安に対する過度な警戒感が後退してユーロ買い・ドル売りとなった。その後は1ユーロ=106円台半ばで推移した。
16日の東京市場では、ユーロ買い戻しが一巡して1ユーロ=105円80銭台~106円50銭台で推移した。終盤はユーロ売りが優勢だった。ユーロ圏財務相会合(16日~17日)、日本市場の3連休(17日~19日)、米FOMC(20日~21日)を控えて様子見ムードも強めた。16日の海外市場では、1ユーロ=105円50銭台~106円30銭台で推移した。ユーロ買い戻しが一巡してユーロ安に振れる場面もあったが、欧州と米国の株式市場の上昇や、ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援継続の方針が確認されたこともユーロを支えた。
ギリシャのデフォルト懸念、イタリアやスペインへの波及懸念、金融システムへ不安など、ソブリンリスクに対する警戒感は根強い。ECBによるイタリアとスペインの国債購入、独仏ギリシャ首脳の電話会談、日米欧の主要中央銀行による協調ドル資金供給措置、ユーロ圏財務相会合でのギリシャ支援継続方針の確認などで、週後半はソブリンリスクに対する当面の過度な警戒感が和らいだ形となった。しかしギリシャの財政赤字削減策が計画どおりに進まず、ギリシャ金融支援に対するユーロ加盟国間の足並みの乱れが顕在化すれば、ギリシャのデフォルト懸念が再燃しかねない状況に変化はない。当面は小康状態というところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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