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日銀の宮尾審議委員「懸念材料は海外需要、円高、電力コスト、デフレ」と指摘

政治と行政の空白・停滞から、財務省、経産省そして金融庁等経済官庁から、有効な情報が発信されない現在、日銀の出す「経済観測」や総裁や審議委員のスピーチは『落ち着いた』データとして参考になる。[写真拡大]
■「霞ヶ関発・兜町着」直行便
政治と行政の空白・停滞から、財務省、経産省そして金融庁等経済官庁から、有効な情報が発信されない現在、日銀の出す「経済観測」や総裁や審議委員のスピーチは『落ち着いた』データとして参考になる。9月14日も宮尾龍蔵(前神戸大学教授)審議委員が函館市で「わが国の経済、物価情勢と金融政策」と題して経済講演をしたが、その内容は次の通りである。
<経済の概況>
わが国の経済情勢は、震災による供給面の制約がほぼ解消する中で、着実に持ち直してきており、特に生産と輸出は、足もと増加基調にある。需要面をみても設備投資や住宅投資、公共投資は、資本ストックの復元に向けて、増加していく方向にある。個人消費も、家計のマインドが改善してくるにつれて持ち直しの傾向がみられ、今後も、供給面の制約が解消されたもとで、生産活動が増加するにつれて、わが国経済も回復していくとみられる。ただ、いくつか不安要素もある。それは、海外景気の減速や為替円高の定着、電力コストの上昇、デフレ予想の長期化懸念などだ。
<わが国経済の現状>
1.わが国経済は、震災の影響で成長が大きく低下した後の回復途上にある。第二四半期の実質GDP前期比伸び率(年率換算)は▲2.1%で3四半期連続のマイナス成長(2010年4Q▲2.5%→2011年1Q▲3.6%→2Q▲2.1%)を記録した。
2.震災後はサプライチェーン障害や原発問題などを背景に、企業の生産活動が落ち込み、消費マインドも冷え込んだほか、雇用・所得環境も悪化するなどの状況が生じた。しかし、現在、経済は足もと生産面を中心に速いペースで回復している。
3.生産・輸出は震災前の水準にほぼ戻り、個人消費も地デジ対応や節電需要にも助けられ、徐々に回復している。設備投資も持ち直しており、家計・企業のマインドも総じて改善している。
4.第三四半期(7-9月期)の実質GDP前期比伸び率は、民間調査では、プラスに転化する可能性が高い。生産は自動車を中心にフル生産を継続しており、復興需要も徐々に増加していくとみられる。先行きは、供給制約が解消したのち、生産・輸出面を起点とした緩やかな回復が続いていくとみている。
<懸念材料>
1.欧米先進国の景気回復が鈍化する中で、海外需要が当初想定していたよりも減少する可能性があり、それが景気回復を下振れさせるおそれがある。
2.円高の定着。米国債格下げや米ゼロ金利の2013年半ばまでの条件付き維持、欧州債務問題の再燃などを受け、ドル安・ユーロ安が長引き円高が定着すると、国内産業空洞化が強まる。
3.電力コストの上昇。本年夏場は、企業の工夫・負担や個人の節電努力などにより、生産水準などには特段の影響が出なかった。しかし、長期的にみて原子力から代替エネルギーへシフトしていく可能性が高い中にあって、代替エネルギーの輸入など電力コストが上昇していけば、企業収益を持続的に圧迫し、場合によっては海外シフトしていく可能性も否定出来ない。
4.デフレ予想の長期化。本年8月、CPIが2010年基準へ改定された。その結果、旧基準(2005年基準)に比べ月々のCPI(除く生鮮食品)前年比の下方改定幅が▲0.5%~▲0.8%ポイントとなり、新基準では、4月▲0.2%→5月▲0.1%→6月▲0.2%→7月+0.1%となった。基準改定により、CPI(除く生鮮食品)前年比がそれまでの+0.6%辺りから0%近傍まで下落するとみており、予想の範囲内であったが、物価安定の実現までは、なお時間がかかることが確認された。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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