飛んだクリスマスプレゼントのあとは、どんなお年玉が続くのか?=浅妻昭治

2010年12月27日 14:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

飛んだ一日遅れのクリスマスプレゼントだった。12月25日に発表された中国の追加利上げである。年末ギリギリまたまた波乱材料の突出であり、来年2011年相場の激動を予兆させる。こうなると、新年早々にどんなお年玉が待ち受けているのか心配になる。

飛んだ一日遅れのクリスマスプレゼントだった。12月25日に発表された中国の追加利上げである。年末ギリギリまたまた波乱材料の突出であり、来年2011年相場の激動を予兆させる。こうなると、新年早々にどんなお年玉が待ち受けているのか心配になる。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■商社株で新年相場の方向性を占う

  飛んだ一日遅れのクリスマスプレゼントだった。12月25日に発表された中国の追加利上げである。年末ギリギリまたまた波乱材料の突出であり、来年2011年相場の激動を予兆させる。こうなると、新年早々にどんなお年玉が待ち受けているのか心配になる。

  財政再建・消費税引き上げをマニフェストとする新しい菅連立政権結成などの政界再編か、北朝鮮から飛んでくる流れ弾か、尖閣諸島・北方領土を巡る地政学的なせめぎ合いか、それとも欧州のソブリンリスクの揺り戻しか、「掉尾の一振」の積もりが「掉尾の三振」に終わるのか、さらに「株券を枕に越年」と決め込んでいいものか不安が尽きない。

  中国の追加利上げは、「出口戦略」の第2弾である。緊急時対応の金融緩和策が、平時対応の穏健政策に転換し、さらに物価上昇・インフレ抑制の押さえ込み政策に舵を切ってきたものだ。日米欧の先進各国の超金融緩和策で、ジャブジャブに溢れ返っている投機マネーの流入を阻止し、カネ余りの解消を急ぐ政策意図を具現化したものだ。

  締め出される投機マネーが、どこに向かうのかが、来年相場の撹乱要因であり続ける。ドル・キャリートレードの巻き戻しやリバトリエーション(資金の本国還流)でドル高・円安が進むのか、商品・金融先物商品に大挙流入して資源・農産物価格がさらに上値を追うのか、予断を許さないからだ。

  金先物価格は、1トロイオンス=1432.5ドルと史上最高値を更新したあとも高値に滞留したままで、原油先物(WTI)価格は、1バーレル=91ドル台と2年2カ月ぶりの高値を回復した。バブルに懲りない面々が再びバブルを仕掛けているとしか思えない。もし「リーマン・ショック」後の2008年7月にWTI価格が、史上最高値1バーレル=147.27ドルをつけたような場面が再現されるようなら、さすがのFBR(米連邦準備理事会)も、「出口戦略」に方向転換せざるを得ない。円キャリートレードが復活して、資源バブルの火にアブラを注ぎ、米国株高を煽ることになるのかもしれない。

  新年相場はまず、年末にきて年初来高値を更新してきた住友商事 <8053> をリード役にした大手商社株の強弱で、投機マネーがどう振る舞うか占ってみることから始めたい。専門商社の双日 <2768> 、アルコニックス <3036> 、白銅 <7637> 、蝶理 <8014> 、豊田通商 <8015> にまで視野を広げておくことが、方向感を見誤らないことになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)

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