ベステラ、27年1月期大幅営業・経常増益予想、大型工事進捗と利益率改善で上振れの可能性

2026年9月17日 07:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ベステラ<1433>(東証プライム)は、製鉄所・発電所・ガスホルダー・石油精製設備など鋼構造プラント設備の解体工事に特化したオンリーワン企業である。解体工事会社としては類のない特許工法・知的財産を強みとして、脱炭素解体ソリューションを推進している。27年1月期中間期は、当期純利益が投資有価証券評価損計上で減益だが、営業・経常利益は計画を上回る大幅増益だった。大型工事が計画を上回って進捗し、売上総利益率が大幅に改善した。そして通期の大幅営業・経常増益予想を据え置いた。中間期の営業・経常利益は計画を上回ったが、下期の大型工事の進捗をより保守的に見直した。ただし通期の営業・経常利益も上振れの可能性が高いだろう。老朽化プラント解体工事の増加で市場環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は8月の戻り高値圏から利益確定売りで反落したが、好業績に加えて高配当利回りも評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■鋼構造プラント設備解体のオンリーワン企業

 製鉄所・発電所・ガスホルダー・石油精製設備など鋼構造プラント設備の解体工事に特化したオンリーワン企業である。製鉄・電力・ガス・石油・石油化学業界(製鉄所・発電所・石油精製・石油化学設備など)向けを主力とするプラント解体工事、および特定化学物質・アスベスト・ダイオキシン・土壌汚染などの環境関連対策工事を展開している。主要顧客はJFEグループ、日本製鉄グループ、東京エネシス、IHIグループなどとなっている。

 21年12月に、アスベスト対策やダイオキシン対策など環境汚染対策工事に関して特殊な工事技術を保有する矢澤を子会社化した。23年8月に、水島コンビナートを抱える岡山県倉敷市を拠点に石油精製装置や化学装置など各種プラントの建設・メンテナンス・躯体工事を行うオダコーポレーション、およびオダコーポレーションの100%子会社でマンションや商業ビルの大規模修繕を行うTOKENを子会社化した。25年4月に同社の筆頭株主であるTERRA・ESHINO社(以下、テラエシノ、同社創業家の資産管理会社)を子会社化し、25年6月に吸収合併した。また26年9月に、関西圏における営業および工事拠点の拡充を目的として大阪事務所を開設した。

 一方で、プラント解体事業にリソースを集中するため、連結子会社のヒロ・エンジニアリングおよび3Dビジュアルの株式を25年12月に譲渡した。

 26年1月期のセグメント別業績(全社費用等調整前)は、解体・メンテナンス事業の売上高が108億18百万円で営業利益が21億68百万円、その他事業の売上高が3億22百万円で営業利益が69百万円だった。

 完成工事高の業界別構成比は電力が12%、製鉄が36%、石油・石化が33%、ガスが1%、3Dが1%、環境が7%、その他が10%で、完成工事高に占める元請案件は23億54百万円、元請比率は21.8%だった。受注高は121億32百万円、期末受注残高は85億12百万円で、受注残高の業界別構成比は電力が21%、製鉄が50%、石油・石化が16%、ガスが2%、3Dが1%、環境が3%、その他が7%だった。

■優良な顧客基盤や特許工法・知的財産の保有が強み

 大手企業のエンジニアリング子会社を中心とした優良な顧客基盤、豊富な工事実績に基づく効率的な解体マネジメント、解体工事会社としては類のない特許工法・知的財産の保有を強みとしている。技術関連では、球形ガスホルダー解体「リンゴ皮むき工法」や火力発電所等の「ボイラ解体方法」の特許を取得し、遠隔操作による溶断ロボット「りんご☆スター」も開発している。さらに風力発電設備解体需要に応えるため、他社に先駆けて「マトリョーシカ式工法」「タワークレーン工法」「転倒工法」の特許工法を開発している。

 24年7月には海外プラントの解体ビジネス展開に向けて、DENZAIと戦略的パートナーシップ提携契約締結について合意した。25年3月にはJ&T環境(株主はJFEエンジニアリング64%、JERA36%)と、廃棄物適正処理および再資源化推進に関する業務提携契約を締結した。25年7月には業務提携先である三谷産業<8285」と共同で、球体ガスホルダーに用いる表面処理装置および表面処理方法に関する特許を出願した。25年12月には海外プラントへの解体ビジネス展開について、光洋機械産業(大阪市)と戦略的パートナーシップ提携契約締結について基本合意した。

 26年3月にはHEROZ<4382>と共同で、プラント解体事業において革新的なAI技術の高度活用を図る共同プロジェクトを開始すると発表した。26年8月には再エネ設備材の循環資源アップサイクル事業スキームの社会実装を発表した。同社が解体施工した銚子高田町風力発電所のFRPブレードを、宏幸が製造する再生FRP合成樹脂材の原料として活用した。

■「中期経営計画2030」

 市場環境は良好である。脱炭素化に向けた2050年カーボンニュートラル宣言の国策なども背景として、1960年代の高度成長期以降に建設された老朽化プラントの解体工事の増加が予想され、同社ではプラント解体市場規模(電力、製鉄、石油・石油化学、風力など)を年間7000億円~1兆円と想定している。

 25年9月公表の新中期経営計画「Leading the Future 中期経営計画2030」では、量的拡大と質的充実を同時に追求し、解体業界のリーディングカンパニーの基盤を確立することを基本方針として、目標数値・KPIは31年1月期の売上高300億円、営業利益33億円、営業利益率11.0%、1株当たり純利益(EPS)238円、ROE(自己資本利益率)20.0%以上、工事監督員数205人(26年1月期見込み92人)としている。

 重点施策として、質の追求では脱炭素解体Ⓡの工法開発とAI活用による競争力の強化や業界をリードする技術ブランドの確立、量の追求ではプラント集積地域への拠点拡大や営業戦略・体制整備など持続的成長基盤構築によって成長加速を推進する。また将来への布石として海外市場探索(シンガポール、韓国など)と将来展開への基盤整備を推進する。

 株主還元については累進配当を継続的に実施することを基本方針(25年1月期より適用)としている。配当性向40%および株主資本を基準とするDOE(株主資本配当率)3.5%以上を目安に累進的に配当する。

 サステナビリティ経営に関しては21年12月にサステナビリティ基本方針を制定し、サステナビリティ委員会を設置した。24年4月には定年後再雇用制度を見直して整備した。定年後の役職・職務・等級が定年前と変わらない場合、定年前の給与を100%維持することとした。24年7月にはCO2削減に貢献する取り組みの一つとして、東京本社を含む全事業所で使用する電力の全量について、トラッキング付き非化石証書が付帯された実質再生エネルギー由来の電力に順次切り替えを開始した。

■27年1月期大幅営業・経常増益予想、さらに上振れの可能性

 27年1月期の連結業績予想(26年9月9日付で親会社株主帰属当期純利益を期初予想比1億70百万円下方修正)は売上高が前期比16.7%増の130億円、営業利益が34.9%増の10億円、経常利益が33.6%増の10億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が投資有価証券評価損計上により27.7%減の5億30百万円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の40円(第2四半期末15円、期末25円)としている。予想配当性向は66.9%となる。

 中間期の連結業績は、売上高が前年同期比15.6%増の58億95百万円、営業利益が154.1%増の5億74百万円、経常利益が183.2%増の6億09百万円、親会社株主帰属中間純利益が55.1%減の99百万円だった。特別利益に投資有価証券売却益3億13百万円を計上したが、特別損失に投資有価証券評価損4億99百万円を計上したため中間純利益は減益だった。

 計画(26年3月12日付の期初公表値、売上高57億06百万円、営業利益4億円、経常利益4億16百万円、中間純利益2億87百万円)に対して、中間純利益は投資有価証券評価損計上により1億88百万円下回ったものの、売上高は1億89百万円、営業利益は1億74百万円、経常利益は1億93百万円、それぞれ上回った。計画を上回る大幅営業・経常増益だった。大型工事が計画を上回って進捗し、売上総利益率が大幅に改善した。

 売上高は子会社売却影響を吸収し、中間期として過去最高だった。全社ベースの売上総利益率は3.6ポイント上昇して21.8%、販管費比率は1.6ポイント低下して12.1%となり、営業利益も中間期として過去最高だった。営業利益3億48百万円増益の要因分析は、増収要因で1億44百万円増益、見積適性化による利益率改善要因で1億93百万円増益、人件費率減少要因で21百万円増益、販管費増加要因で10百万円減益だった。

 完成工事高は18.7%増の58億59百万円で、完成工事高の業種別構成比は製鉄が41%、石油・石化が35%、ガスが2%、3Dが1%、環境が9%、その他が8%、電力が3%だった。完成工事高に占める元請案件比率は26.3%だった。受注工事高は48.1%増の61億98百万円、期末受注残高は37.3%増の88億51百万円で、受注残高の業種別構成比は製鉄が32%、電力が22%、石油・石化が25%、ガスが1%、環境が19%、その他が1%となった。第2四半期に石油化学業界の複数の大型案件を受注した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が32億73百万円で営業利益が3億53百万円、第2四半期は売上高が26億22百万円で営業利益が2億21百万円だった。第2四半期は大型工事が本格的に売上貢献するまでの端境期だった。

 通期の連結業績予想は、前回予想(26年3月12日付の期初公表値)に対して投資有価証券評価損計上に伴い親会社株主帰属当期純利益を下方修正したが、売上高、営業利益、経常利益を据え置いて大幅営業・経常増益予想としている。中間期の売上高、営業利益、経常利益は計画を上回ったが、下期に寄与する大型工事(電力関連)の進捗をより保守的に見直した。ただし通期も上振れの可能性が高いだろう。老朽化プラント解体工事の増加で市場環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待は毎年1月末対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年1月31日時点で5単元(500株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてベステラ・プレミアム優待倶楽部で商品に交換可能な優待ポイントを贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は8月の戻り高値圏から利益確定売りで反落したが、好業績に加えて高配当利回りも評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。9月16日の終値は1197円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円81銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS609円14銭で算出)は約2.0倍、そして時価総額は約111億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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