更年期の不調 男性は「気づかず」「相談せず」「受診せず」~気づきは女性の3分の1
配信日時: 2026-10-13 12:00:00
朝日新聞Reライフプロジェクト3千人調査で見えた更年期世代の実態
株式会社朝日新聞社(代表取締役社長:角田克)が手がける、50代以上向けのメディア・コミュニティー「朝日新聞Reライフプロジェクト」は、世界メノポーズデー(10月18日)に先駆けて、男性更年期における「気づき」「相談」「受診」の壁が浮かび上がった調査結果を発表します。
調査は、更年期などの心身の悩みに寄り添うサービスを展開する「TRULY」と共同で実施。Reライフプロジェクトのコミュニティー「読者会議」のメンバー3,308人から回答を得ました。回答者の性別では女性が6割、男性が4割でした。主に30代後半から60代ごろまでに不調を経験した方の実態を分析したところ、不調を「更年期」と関連づけて考えていた割合は、男性は女性の3分の1、男性の約半数は誰にも相談せず、4人に3人が医療機関を未受診でした。
更年期は女性の問題として語られることが少なくありません。しかし今回の調査からは、男性にも不調を抱えながら気づけない、相談できない実態が見えてきました。世界メノポーズデーを前に、男性更年期への理解を広げ、一人で抱え込まずに相談できる環境づくりにつなげたいと考えています。
私たちは、今回30代後半~60代ごろまでを「更年期世代」と位置づけ、その世代の男性の更年期に関する実態を中心に分析した「Reライフ白書」を10月13日から3回に分けて順次公開します。このほか男性更年期専門の有識者による調査結果の読み解き分析も予定しています。
本リリースでは、調査結果の概要を紹介します。
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(C)GettyImages
男女とも約9割が心身の不調を経験
「30代後半から60代ごろまでに感じた心身の変化や不調」を尋ねたところ、何らかの心身の不調を経験したと答えた人は全体92.4%、女性94.6%、男性89.3%でした。男女とも最も多かった症状は「疲れやすさ・倦怠(けんたい)感」で、女性61.6%、男性52.2%でした。続いて「肩こり・腰痛・関節の痛み」「寝つきの悪さ・眠りの浅さ」「物忘れが増えたと感じる」が男女共通の上位症状となりました。
更年期への気づき、男性は女性の3分の1 男性に多い「後から気づく更年期」
不調を感じた際、更年期と関連づけて考えたことはあるかと尋ねたところ、「更年期(男性更年期を含む)」と関連づけて考えたと回答した人は、女性47.4%、男性15.9%で、男女で31.5ポイントの大きな差が見られました。
一方、男性では「不調を感じた当時は分からなかったが、今は更年期と関連していたかもしれない」と回答した人が35.4%と女性(24.4%)を上回り、「関連があるか分からない」も35.5%を占めました。男性は、不調を感じても当初は更年期との関連を意識せず、後になって振り返って関連を考えたり、判断がつかないと感じたりする人が比較的多い傾向がうかがえました。
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男性の約半数は、不調があっても「相談していない」
変化や不調があった際の、身近な人への相談の状況を尋ねたところ、「相談していない」(全体39.3%)が最多でした。「相談していない」は男女ともに最も多かったのですが、男性は46.8%と、女性(34.0%)を上回っていました。 相談相手は、男性は「配偶者・パートナー」が42.3%で、「友人」は8.8%、「職場の同僚」は4.0%でした。女性は「友人」が31.3%でした。
男性の約4人に3人が医療機関を未受診
不調や変化を経験した人に医療機関の受診状況を尋ねたところ、「受診した」との回答は全体の31.8%にとどまり、68.2%が未受診(「受診しようと思わなかった」「受診しようと思ったが受診していない」の合計)でした。男性は未受診が75.4%で全体を上回りました。未受診の理由は、「受診するほどではないと思った」(67.0%)が最多で、「受診しても解決しないと思った」(29.7%)、「何科を受診すればよいか分からない」(17.4%)が続きました。
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不調や変化は仕事にも波及、4割が影響を経験
「不調によって、実際に起きたことがあれば教えてください」(複数回答)という質問に対して、「仕事上のミス」「集中困難」「欠勤・早退」「休職」のいずれかを選んだ割合は、全体43.1%、女性42.8%、男性43.7%でした。性別に限らず、不調や変化は仕事にも影響を与えていることがうかがえます。
長引く不調 1年以上が6割超
不調の継続期間について尋ねたところ、最も多かったのは「3年以上」で、全体38.0%、女性39.3%、男性36.1%でした。また、「1~3年程度」と答えた人も全体24.1%、女性27.1%、男性19.7%でした。「1~3年程度」と「3年以上」をあわせると、不調が1年以上続いた人は全体で6割を超えており、長期間にわたって不調を経験する人が少なくないことがうかがえます。
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社会に必要なのは「正しい知識」と「相談しやすい場」
更年期世代の不調をめぐり、社会に必要だと思うことを複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「正しい知識が広がること」で74.0%でした。次いで、「相談しやすい場所が増えること」(50.9%)、「医療機関にかかりやすくなること」(33.2%)が続きました。こうした社会的な支援に対する期待には大きな男女差はみられませんでした。周囲に求めることについては、男女ともに「話を否定せず聞いてくれること」が最多でした。
「相談や本音言いにくい」「妻の理解に救われた」男性の回答者から切実な声
今回の調査では、不調を経験してつらかったことや困ったことについて、多くのコメントが寄せられました。男性からは、不調への戸惑いや周囲の理解を求める切実な訴えもありました。
●現在44歳だが、最近明らかにイライラすることが増えたように感じる。このアンケートに答えていて、これも更年期の症状なのかもしれないと思った。今のところは「イライラする」という以外に困ったことはそれほどないが、イライラしないに越したことはない。何とかできるものなら、「何とかしたい」。ただ、一方で、怒りが原動力になっている面も、あるにはある。とはいえ治ってほしいが。(京都府・男性・40代前半)
●急な発汗やメンタルの不調をなかなか周囲に理解してもらえなかった。介護も手を抜くことができず疲労感が強いものの、更年期から来るものなのか疲れなのか判断できないまま現在に至っている。(大阪府・男性・50代後半)
●年齢のせいかな、と思うことで勝手に症状を判断していた。男性の更年期かもしれない、と気安く言える情報が欲しい。(愛知県・男性・70代後半)
●普段通りに仕事も人間関係も維持しようと思っていますが、やる気・気力低下・人と会う・話をすることに煩わしさや面倒と思ってしまうこと、気持ちは十分にあるのだが、言葉や考えがまとまらずに上手に伝わらない、ほてりなどから急に汗が噴き出す、急に激しい不安感に襲われるなどを経験しています。(東京都・男性・50代後半)
●変な不安感、焦燥感、気分の落ち込み、イライラ、不眠などが頻繁に起こり結構つらい日が続いた。(東京都・男性・60代後半)
●職場ではある程度の状況を上司に説明したが、どこまで言うべきか迷う。あまり本当のことを言うと仕事を続けるのに支障になるかもと考えてしまう。家庭では心の不調に対する家族の理解がされないと思うので、「相談や本音が言いにくい」。(東京都・男性・50代後半)
●妻が理解をしてくれたので救われた。家族や同世代の友人にも開けっぴろげに話せるようになれば良いと思います。(東京都・男性・50代後半)
調査概要:「あなたのからだと心の変化に関するアンケート」と題して、Reライフ読者会議メンバーを対象にオンラインで実施。調査期間は2026年7月27日~8月23日。有効回答は3,308人(女性57.7%、男性41.7%、その他0.6%)。年代別の割合は34歳以下=0.9%、35~39歳=1.6%、40~44歳=2.5%、45~49歳=4.8%、50~54歳=11.4%、55~59歳=15.4%、60~64歳=19.2%、65~69歳=17.9%、70~74歳=12.5%、75~79歳=9.3%、80歳以上=4.5%。
※本調査は回答者の経験や認識を尋ねたものであり、回答された心身の不調が更年期に起因することを医学的に診断・確認したものではありません。
【編集部コメント】
「更年期」というと女性の問題として語られることが多いですが、近年は男性更年期への関心も高まっています。2025年6月に政権がまとめた「『経済財政運営と改革の基本方針』(骨太の方針)」にも男性更年期障害への対応が初めて盛り込まれました。今回、心身の不調がどのように受け止められ、対処されているのかを知るため調査を実施しました。私自身も50代前半から不調を経験し、仕事や家族に迷惑をかけてしまったという思いがあります。
調査からは、男女を問わず多くの人が不調を抱える一方、特に男性では更年期との関連に気づきにくく、受診や相談につながりにくい実態がうかがえました。また、回答者の約4割を男性が占めたことは予想以上でした。男性側の声や実態をこれほど多く聞く機会はありませんでした。男性も、心身の変化に戸惑いや悩みを抱えていることが見えてきました。
正しい知識や相談しやすい環境を求める声も多く寄せられています。この調査が、不調を一人で抱え込まず、相談や受診を考えるきっかけになれば幸いです。(Reライフプロジェクト・中西知子)
【Reライフ白書の公開予定について】
・前編:男性に多い「後から気づく更年期」 男女とも約9割が不調経験
・中編:長引く更年期世代の不調、6割が1年以上 仕事にも影響(仮) 2026年10月20日公開予定
・後編:更年期世代の不調、およそ7割が未受診 男性半数が相談せず(仮)2026年10月27日公開予定
・有識者インタビュー:男性はなぜ相談しないのか? 専門医に聞く男性更年期との向き合い方(仮) 2026年11月中旬公開予定
■「朝日新聞Reライフプロジェクト」について
朝日新聞Reライフプロジェクトは、50代以上の自分らしく豊かな生き方を応援する参加型プロジェクトです。新聞やWebサイト、イベント、コミュニティーを活用し、生活者の声に基づく調査、商品開発、情報発信を通じて、シニア向け企業のマーケティングを支援しています。
(支援例)
・コミュニティーと連携した定量調査/定性調査、グループインタビュー
・対象世代のリアルな声を活かした商品モニター会、商品・サービス開発支援
・訴求軸を捉えた、新聞社ならではの多様なコンテンツ開発・情報発信
Reライフ.net(プロジェクト公式サイト)(編集長:吉浜織恵)
■「Reライフ白書」について Reライフ白書の一覧ページ
会員制コミュニティー「読者会議」のメンバーを対象に、健康、暮らし、働き方、学びなど様々なテーマでアンケートを実施し、「Reライフ白書」として公開しています。
■TRULYについて
TRULYは、「更年期を、いい変化のチャンスに。」を掲げ、オトナの男女の不調や悩みに寄り添うフェムテックカンパニーです。チャット相談や、医師・医療専門家の監修による情報発信、セルフチェックなどを通じて、一人ひとりが自身の心身の変化を理解し、向き合うことをサポート。更年期やホルモンに関する理解を広げ、男女が理解し合える社会を目指しています。
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