ヘリオス、クラウドで束ねた低圧蓄電所で一次調整力を実証 追従率100%・応動1.8秒

プレスリリース発表元企業:株式会社ヘリオス

配信日時: 2026-10-13 09:00:00

クラウド上の仮想EMSで2拠点を1つの仮想蓄電所として制御。周波数の急低下には、インターネット経由の通信を含めて1.8秒で応動(要件30秒以内)



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株式会社ヘリオス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤本伸治)は、2026年9月、離れた場所にある複数の低圧蓄電所を当社のEMSでインターネット上に束ね、1つの仮想蓄電所として制御する実証試験を、株式会社ワンズエナジー、株式会社スマートパワーシステムの協力のもと実施しました。

インターネット経由で複数の蓄電所を合成制御する方式では、一次調整力に求められる速さと精度を満たすのは難しいという見方もあります。今回、束ねた状態で一次調整力の事前審査の試験項目に沿った試験を行い、平常時の追従率100%(基準90%以上)を確認しました。

その後も調整を重ね、周波数の急低下に対しては、インターネット経由の通信を含めて1.8秒で応動しています(要件30秒以内)。
さらに、実際の系統周波数に対する1時間の連続動作でも、周波数の変化に応じた出力を確認しました。指令の配分では、各蓄電所のSOC(充電量)の偏りをならす「SOCバランシング」もあわせて実施しています。
当社は2026年6月に「低圧アグリゲーションサービス」の受注を開始しており、今回の実証で、その中核となる制御技術を実機で確認しました。

なぜ「束ねた状態での性能」が重要か

2026年度から、低圧リソースを活用した需給調整市場への参入が始まりました。一方で、需給調整市場の最低入札量は1,000kW(1MW)です。
1区画あたり約50kWの低圧蓄電所は単独では入札できず、束ねて1MW以上にすることが前提となります。
当社の低圧アグリゲーションサービスは、約25区画を束ねて1MW規模の仮想蓄電所とします(最大50区画程度まで拡張可能)。

束ねることが前提である以上、問われるのは、「束ねた状態で、一次調整力に求められる速さと精度が出せるか」です。
これが実現できれば、低圧蓄電所でも、需給調整市場の商品の中で最も速い応動が求められる一次調整力に参加できる道が開けます。

今回の実証では、2拠点の構成で、この点を実機のデータで確認しました。

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神奈川愛川工場 49.9kW/205.02kWh
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千葉事業所 49.9kW/205.02kWh

実証の内容

当社のクラウド上の仮想EMSが、2拠点の低圧蓄電所を1つの仮想蓄電所として扱いました。
仮想蓄電所全体への出力指令を受けると、仮想EMSがその指令を2拠点に配分し、各蓄電所がそれぞれ出力します。2拠点の出力の合計が、仮想蓄電所としての出力になります。
一次調整力の制御でも、各拠点の周波数測定器が検出した周波数をもとに、クラウド上の仮想EMSが指令を算出・送信しています。

この構成で、9月28日に一次調整力の事前審査の試験項目に沿った試験を模擬信号で実施し、9月29日には実際の系統周波数に対する連続動作を実施しました。
当社では10月に入ってからも、約定量などの条件を変えて試験を継続しています。
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図:仮想蓄電所としての制御イメージ(2拠点の出力を合成して指令に追従)

SOCバランシング:
指令の配分では、放電時はSOCの多い蓄電所を、充電時はSOCの少ない蓄電所を優先します。
一部の蓄電所だけが先に空や満充電になって出力できなくなる事態を防ぎ、仮想蓄電所として出せる力を保ちます。

実証の結果

主な結果は次のとおりです。
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※平常時:2026年9月28日・約定量99kW/異常時:調整後の10月3日・約定量15kW(いずれも2拠点の合計)

平常時:
周波数の変動を模した30分間の模擬信号に対し、取引ガイドの評価方法に沿って目標出力と2拠点の合計出力を1秒ごとに比較し、評価点のすべてが許容範囲(±10%)に収まりました。

異常時:
周波数が49.8Hzまで急低下する模擬信号に対し、インターネット経由の通信を含めて1.8秒で応動しました(要件30秒以内)。
約定量99kWの試験でも、2秒で約定量の98%に到達し、そのまま5分以上出力を維持しています。

実系統:
実際の系統周波数に対して1時間連続で動作させ、周波数の変化に応じた出力を確認しました。

SOCバランシング:
本実証でも、2拠点のSOCの差が縮まる方向に制御されることを確認しました。
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平常時:30分間の模擬信号に対する目標と実際の合計出力 (2026年9月28日・約定量99kW・不感帯±0.01Hz・2拠点の合計・1秒ごとの実測値)

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異常時:周波数の急低下に対する合計出力 (2026年9月28日・約定量99kW・不感帯なし・2拠点の合計・1秒ごとの実測値)

[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/185181/4/185181-4-951f133cb13487e35b7e8c6a6afa3404-2042x1337.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
実系統:系統周波数の変化に対する合計出力の変化 (2026年9月29日・1時間・1秒ごとの実測値)

本実証を支えたヘリオスの技術

仮想EMS(クラウド)
複数の低圧蓄電所を1台の高圧蓄電所のように扱い、SOCに応じて指令を配分します。一次調整力の指令もクラウド上で算出します。
周波数測定器
各蓄電所に設置する高精度の系統周波数測定器です(0.01Hz精度・0.1秒応答)。一次調整力に求められる速い応答を支えます。
仮想BESS制御エージェント
仮想EMSの指示を受けて、各蓄電所のPCSに充放電を指示します。JC-STAR★1取得済みです。
EMS-API
当社の高圧・特別高圧蓄電所/発電所向けEMSと同じAPI仕様で、アグリゲータのシステムと接続します。特別高圧・高圧・低圧の蓄電所/発電所をまとめて制御できます。

※周波数測定器と仮想BESS制御エージェントは、株式会社スマートパワーシステムが組み立て・製造する統合制御盤に収容されています。

今後の展開

当社は今後、需給調整市場での実取引開始に向けて準備を進めてまいります。あわせて、次の取り組みを進めています。
1.PV併設型の施設(2026年12月末までに対応予定)
太陽光発電所に蓄電池を併設した施設も、同じ仕組みで束ねて制御できるようにします。
系統からの充電を禁止するか許可するかは、施設ごとの設定で切り替え可能です。
2.需要家併設型の施設
工場や商業施設など、電気を使う需要家の敷地に設置する蓄電池への対応を進めています。
逆潮流防止機能やピークカット・ピークシフト機能と両立させながら、調整力を供出できるようにします。
3.蓄電池の状態に応じた配分の高度化
各蓄電池が指令どおりに出力できているかをリアルタイムに評価し、通信が途絶えた拠点や異常のある蓄電池を切り離す、または配分を減らす機能の開発を進めています。
束ねた中の一部に問題が起きても、制御精度を極力落とさずに約定を遂行できる仕組みを目指します。
4.運用・保守フェーズ業務の効率性を向上する仕組み
制御実績データの集計・提出業務や、マスターリスト、基準リスト、派生リストの管理・保守、それらを使った発電計画の提出業務を効率的に支援する仕組みを開発中です。
5.OpenADRへの対応(2026年12月末までに対応予定)
構築済みのOpenADRクライアント(VEN)をベースに、アグリゲータのシステムとの接続方式を広げます。
※本実証は神奈川愛川工場と千葉事業所の2拠点で実施し、負荷設備への放電による試験であり、需給調整市場での取引実績ではありません。

低圧蓄電所のアグリゲーションに関するご相談は、下記お問い合わせ先にて受け付けております。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/185181/table/4_1_6b4d829ea80ada606615fe2b38f46f9c.jpg?v=202610131015 ]

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