2回のオミクロン株対応二価ワクチン(BA.4-5対応型)接種後獲得免疫の経時的変化を解析
配信日時: 2023-09-11 17:25:43
・1 回目のオミクロン株対応二価ワクチン( 従来株/BA.4-5対応型) 接種後の血清は、BA.5株に対して良好な中和活性( 感染阻害効果)を示しましたが、その中和活性は時間の経過とともに大きく減弱しました。
・2 回目の二価ワクチンを接種した既感染者の血清は、BA.5株、BQ.1.1株、XBB株、XBB.1.5株の各変異株に対し高度~ 中程度の中和活性を示し、未感染者の血清ではBQ.1.1、XBB、XBB.1.5各株に対する中和活性は低値を示しました。
・未感染者においては、2 回の二価ワクチン接種ではBQ.1.1株やXBB系統株に対し十分な予防効果が得られないことが示唆され、重症化リスクを有する方においては、感染予防策の継続およびXBB.1.5対応一価ワクチンの接種が望まれます。
【概要説明】
ヒトレトロウイルス学共同研究センターの天野将之特任助教らの研究グループは、2 回のオミクロン株対応二価ワクチン( BA.4-5対応型)* 1( 以下「二価ワクチン」)接種を受けた医療従事者の血清を用いて、感染性BA.5株、BQ.1.1株、XBB株、XBB.1.5株に対する中和活性の経時的変化を解析しました。
その結果、1. 1 回目の二価ワクチン接種後の血清は、BA.5株に対して良好な中和活性を示す一方、その中和活性は経時的に大きく減弱すること、2. 2回目の二価ワクチンを接種したSARS-CoV-2既感染者の血清は、BA.5株及びBQ.1.1、XBB、XBB.1.5各株に対し高度~ 中程度の中和活性を示すこと、3. 2回目の二価ワクチン接種後の未感染者の血清において、BA.5株に対し1 回目接種後経時的に低下した中和活性の回復を認めるものの、BQ.1.1 、XBB 、XBB.1.5各株に対する中和活性は低値のままであることを明らかにしました。
これらの結果から、特にこれまで感染していない方においては、2 回の二価ワクチン接種ではBQ.1.1やXBB系統株に対して十分な感染発症予防効果が得られない可能性が高く、重症化リスクを有する方においては、個々の感染予防策の継続および今秋以降に我が国で接種開始予定のXBB.1.5対応一価ワクチンの接種が望まれます。
本研究成果は令和5年9月1日に英国の国際科学雑誌「Journal of Infection」( 最新( 2022年) のインパクトファクター: 28.2) にオンライン掲載されました。
【展開】
今秋以降に我が国で接種開始予定のXBB.1.5対応一価ワクチンの効果についても今後詳しく解析します。
【用語解説】
※1 . オミクロン株対応二価ワクチン( 従来株/BA.4-5 対応型)
今回の研究では全てファイザー/ビオンテック社の「コミナティ」を使用しています。起源株とオミクロンBA.4-5 株のスパイク蛋白質をコードする2 種類のメッセンジャーRNA( mRNA) が、それぞれ含まれています。
【論文情報】
論文名:Longitudinal analysis of neutralization in sera from HCWs receiving 2 doses of Omicron BA.4/5-adapted bivalent vaccine
論文名( 和訳) : 2 回のオミクロンBA.4/5 株の接種を受けた医療従事者から得られた血清の中和活性に関する長期的解析
著者:Masayuki Amano*, Yasuko Ichikawa, Shota Matsumoto, Shuzo Matsushita,Shinya Shimada, Hiroaki Mitsuya.
著者: 天野将之1*( *責任著者) 、市川康子2、松本翔太2、松下修三1、島田信也2、満屋裕明3( 所属: 1 熊本大学、2 地域医療機能推進機構( JCHO) 熊本総合病院、3 国立国際医療研究センター研究所)
掲載誌: Journal of Infection
doi: 10.1016/j.jinf.2023.08.012
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0163445323004644
[画像: https://prtimes.jp/i/124365/21/resize/d124365-21-fb3773f78d10967e5420-0.jpg ]
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