「ブラック・アート」とは何か?「ブラック・アーティスト」とは誰か?『美術手帖』4月号は「ブラック・アート」特集。
配信日時: 2023-03-06 10:00:00
株式会社美術出版社(東京都 品川区)は、『美術手帖』4月号「ブラック・アート」特集を3月7日(火)に発売。近年、躍進が目覚ましい「ブラック・アート」について、現在活躍するプレイヤーたちの言葉に耳を傾け、その言葉に潜む歴史を知ること、日本で「ブラック・アート」を語る意味を探ります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-23fc1a999cb9c06a6b1e-0.jpg ]
特集「ブラック・アート」
「ブラック・アート」とは何か?
近年「ブラック・アート」の躍動が目覚ましい。2022年の第59回ヴェネチア・ビエンナーレで、アフロ・カリブ系イギリス人であるソニア・ボイスの手がけたイギリス館の展示が金獅子賞(国別)を受賞し、同年のターナー賞は、17年のルベイナ・ヒミド以来、黒人女性として史上2人目のヴェロニカ・ライアンが受賞している。また「ブラック・アーティスト」や「マイノリティ」と呼ばれる作家たちの活動や意義の見直しを図る展覧会が各国で開催され、『アートレビュー』誌が選出する、美術界でもっとも影響力のある100組 のランキング「Power 100」では、アフリカの現地を拠点に活動する作家やキュレーターの名前も数多く見られる。
[画像2: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-808c8c12f814eb312696-2.jpg ]
しかしながら、私たちが「ブラック・アート」と名付けるものとはいったい何を指すのか? なぜ私たちは地域や世代ではなく「色」で、その作品や人物をカテゴライズしているのか? 本特集では、文化研究者の山本浩貴を総合監修に迎えて、「ブラック・アート」という言葉と概念をとらえ直してみたいと思う(共同監修=中村融子[アフリカ現代美術研究])。
[画像3: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-7755ba02f717871b3a8e-1.jpg ]
欧米を中心としたアートサーキットで活躍するブリティッシュ・ブラックやアフロ・アメリカンの作家やキュレーターにくわえて、アフリカやカリブ海地域で生まれ、現地を拠点に活動するアートのプレイヤーを取り上げ、同時に「ブラック・アート」を語るうえで欠かすことのできない、その「歴史」や「研究」にも目を向ける。現在美術界で活躍する「ブラック」のプレイヤーたちの言葉に耳を傾け、その言葉に潜む歴史を知ること、日本で「ブラック・アート」を語る意味を考えたい。
[画像4: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-56363f6e93577e2c2b8a-3.jpg ]
PART1
ブラック・アートの現在地
数多くの「ブラック・アーティスト」が活躍する現在、その名称のもとにカテゴライズされる作家や作品にも、複雑な歴史の階層や多彩な地域の特色などの「多様性」が見て取れる。このパートでは、様々な地域で活動する「ブラック」の作家やキュレーター、そしてギャラリストを取り上げる。彼ら・彼女らの作品や活動が、現在の世界やその歴史認識に向けて問いかけているものとはなにか? インタビューやキーパーソン解説、そしてその研究の現在などから、美術界での「ブラック・アート」の現在地を探る。
[画像5: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-495fc049f94fe6c4564c-6.jpg ]
PART2
ブラック・アートの歴史
現在の「ブラック・アート」を語るうえで欠かすことのできない、植民地主義や美術界での「闘争」の歴史。このパートでは、その一端を知るために「奴隷制と植民地主義」「欧米での展覧会」「アーティスト」「言説と批評」「美術と政治」の5つのトピックから、歴史上に起きた出来事や事象に触れる。また、「ブラック・アート」の「名付け」の歴史やそれが及ぼした論争や影響についても、2つの論考で解説。その呼称がはらむ、排除と周縁化のメカニズムについて考える。
[画像6: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-6416a0b861510260094b-4.jpg ]
また、福岡県立美術館で40年にわたる作家活動を「回顧」する個展を行った牛島智子のロングインタビュー、マイケル・ハイザーの《シティ》の公開等で再び注目を集める「ランド・アート」を先住民のアーティストの作品から読み替える原田真千子の論考を掲載。
[画像7: https://prtimes.jp/i/10983/243/resize/d10983-243-d4174f2dc039ae397b27-5.jpg ]
【目次】
特集:ブラック・アート
山本浩貴=総合監修 中村融子=共同監修
「ブラック・アート」とは何か? 「ブラック・アーティスト」とは誰か?
山本浩貴=文
PART1
ブラック・アートの現在地
ソニア・ボイス
山本浩貴=聞き手・文
シアスター・ゲイツ
菊池裕子=聞き手 山本浩貴=構成
コヨ・クオ
中村融子=聞き手・文
イブラヒム・マハマ
中村融子=聞き手・文
メグ・オンリ
金井美樹=聞き手・文
未来と過去が織り成す交点──ブリティッシュ・ブラック・アートの現在地
山本浩貴=文
2010年代以降のアメリカにおけるブラック・アートの新たな地平
國上直子=文
美術と主権を「複数化」すること──アフリカ現代美術のエコシステムの涵養
中村融子=文
カリブ海・環大西洋ブラック・アート論序説
中村隆之=文
[対談]「ブラック・アート」研究のこれまでとこれから──日本における可能性と課題
萩原弘子×小笠原博毅
山本浩貴=進行 永峰美佳=構成
「ブラック・アート」をめぐるキーパーソンたち
エル・アナツイ/サミー・バロジ/インカ・ショニバレCBE/ルベイナ・ヒミド/ローナ・シンプソン/マリアンヌ・イブラヒム/アレクシス・ペスキン/ボナベントゥアー・ソー・ベジェン・ンディクン
吉國元
永峰美佳=取材・文
マーロン・グリフィス
菊池裕子=聞き手
PART2
ブラック・アートの歴史
奴隷制と植民地主義/欧米での展覧会/ヴィフレド・ラム/ジャン=ミシェル・バスキア/言説と批評/美術と政治
「ブラック・アート」をより深く考えるためのブックガイド
[翻訳論考]ブラック・アート──代表するという重荷
コビナ・マーサー=文
[論考]「ニグロ・アート」とブラック・アート:誰が文化を規定するのか
柳沢史明=文
ARTIST IN FOCUS
石垣克子
白坂由里=取材・文
百瀬文
中島水緒=取材・文
WORLD REPORT
New York/Dublin, Nottingham, London/Scotland/Berlin/Tainan/Kuala Lumpur
ARTIST INTERVIEW
牛島智子
竹口浩司=聞き手
REVIEWS
「日本の中のマネ 出会い、120年のイメージ」展
椹木野衣=文
金氏徹平個展「POOOPOPOO」
清水穣=文
PAPERS
ランドアートのレガシーとその向こう
原田真千子=文
美術手帖2023年4月号 3月7日(火)発売
定価|1800円+税
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社
『美術手帖』公式サイト|https://bijutsu.press/books/5128/
Amazonサイト|https://amzn.asia/d/6Ncd85e
美術出版社
1905年の創業以来、一貫して良質な美術図書の出版を手掛けてきました。
『美術手帖』『ワイナート』などの定期雑誌、『カラー版美術史シリーズ』をはじめとする美術・デザイン・建築などの芸術全般にわたる書籍の出版、美術展のカタログ制作のほか、アートと人々をつなぐ多彩な事業を行っています。
https://bijutsu.press/
PR TIMESプレスリリース詳細へ
スポンサードリンク
「美術出版社」のプレスリリース
- 【美術出版社】Chim↑Pom from Smappa!Groupの初期から近年までの代表作と新作を発表するなど話題を集めた「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」の公式図録(ドキュメント版)を刊行08/03 10:00
- 【美術出版社】新鋭の彫刻家、中村萌の最新作品集『before the dawn』を8月7日(月)に刊行。いしいしんじによる書き下ろし短編も収録。08/02 10:30
- 国立新美術館にて開催中の「蔡國強 宇宙遊--〈原初火球〉から始まる」展図録を7月8日(土)より一般発売。宇宙や見えない世界をテーマに、作家自身の活動の旅をたどる。07/05 12:00
- 「美術出版社」のプレスリリースをもっと読む
スポンサードリンク
最新のプレスリリース
- 平井 大が全国アリーナツアー“HIRAIDAI TOUR 2023”を10月14日よりスタートする。マーチャンダイズのメインデザインは、アーティスト豊田 弘治氏。08/24 18:00
- ルパンと不二子で乾杯!九谷焼 酒グラスをトムスショップにて8月24日より販売開始!九谷焼伝統の柄とともにルパンと不二子を脚にデザイン08/24 18:00
- 『JUNK HEAD』の続編、”JUNKシリーズ”第2弾 『JUNK WORLD』制作決定08/24 18:00
- 折りたたみ電動バイクのシェアリングサービス 「Shaero」 が宮崎県のフェニックス・シーガイア・リゾートにステーションを設置08/24 17:45
- 頭金の準備割合、その決め手とは?~住宅ローンで「頭金ゼロ」の選択肢は正解か?~08/24 17:45
- 最新のプレスリリースをもっと見る