世界初 廃棄される農産物から、キノコの酵素を利用して天然ヒト型セラミドを生産する技術を開発

プレスリリース発表元企業:株式会社ジェヌインR&D

配信日時: 2022-05-17 16:00:00

バイオテクノロジーの研究開発を行う株式会社ジェヌインR&D(本社:福岡県福岡市東区、代表取締役:宮鍋 征克、以下「当社」)は、キノコの持つ酵素反応を利用し、廃棄される農産物から天然ヒト型セラミドを生産する技術を世界で初めて開発したことをお知らせします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/309336/LL_img_309336_1.jpg
本技術で作られた天然ヒト型セラミドを配合したサプリ(左)とフリーズドライ味噌汁(右)の試作品

当社は福岡県で排出される柚子ジュースの搾りかすと、福岡県で最も生産量の多いキノコであるシメジを利用して「柚子かすヒト型セラミド」の製造に成功しました。これは福岡県リサイクル総合研究事業化センターとの共同研究で、食品ロス削減に有効な研究であると考えます。私たちは、この研究成果を「福岡県モデル」として、国内のみならず世界に発信してまいります。

今後は事業化に向け、さらに効率の良い製造方法を検討するとともに、製造技術を応用し、各地のご当地農産物や食品加工企業とコラボレーションした商品開発も考えています。また、サーキュラーエコノミーを目指し、セラミド抽出後の残渣も有効活用できるよう研究を進めてまいります。


■研究背景
当社の研究開発の理念は、「食品加工残渣(ざんさ)や廃棄農産物などどうしても食べることのできない食物からの世の中にない機能性素材の開発」です。環境問題や原料供給問題を考え、2010年の創業当時から完全循環型の機能性素材開発をコンセプトに研究を行っています。

当社はこれまで、醤油を製造する際に排出される搾りかすから、ヒトの角質層にあるセラミドと同じ構造のヒト型セラミドを世界で初めて精製しています(※1)。この醤油かすセラミドの製造技術を応用し、食用として多く生産されているキノコの酵素を利用して、果物や野菜などの一般的な植物からヒト型セラミドを作り出す研究を2019年から開始しました。福岡県におけるジュースなどの加工食品の製造残渣や、生鮮品として出荷できない規格外品、重量調整で廃棄される食物をリサイクルする目的と、地域の特産品を活用する狙いのもと、研究を進めておりました。


■研究結果の概要
<材料の選定・精製>
使用するキノコについては、福岡県で多く生産されているエノキ、シメジ、エリンギ、シイタケを分析し、セラミドを産出する能力が最も高いシメジに決めました。シメジは県内で最も生産量が多いため、将来的に廃棄キノコでの利用頻度も高くなると予想して採用しました。

廃棄農産物として選んだのは「柚子かす」です。福岡県で発生する食品加工残渣である柚子、ホウレンソウ、ビワの種などからの搾りかすを用意してセラミド構造を分析した結果、ヒト角質層に存在するセラミドと同じ骨格なのは柑橘類であることが確認されました。「柚子かす」には香料を取った蒸留かすと、ジュースを搾った果皮種子かすがありますが、よりセラミド精製能力の高いジュースの搾りかすを用いました。

実験の結果、シメジの強い分解酵素や界面活性作用が、「柚子かす」中の糖セラミド(※2)に反応し、天然ヒト型セラミド「柚子かすヒト型セラミド」を得ることができました。

<商品開発の検討>
この「柚子かすヒト型セラミド」を使って商品開発の検討も進めました。自社工場ではサプリメントを、福岡県醤油醸造協同組合( http://www.fsjk.or.jp/ )とはフリーズドライ味噌汁を試作しました。

一般的に美容系サプリメントは1日の摂取量が多く、ただ飲むだけでは続かないという人も多いことから、柚子風味をつけて美味しさを感じる、食べるサプリメントを作りました。味噌汁はもともと発酵食品でセラミドが含有しており、美容に良い食品とされています。そこに、1日分のセラミドをさらに配合した「美容味噌汁」をコンセプトに試作しました。

今回は「柚子かす」でしたが、今後は柚子以外で作る植物ヒト型セラミドの製造も考えています。各地のご当地農産物や各企業から出る食品加工残渣を利用した場合、その植物に合わせた風味や形状、具材のアレンジが期待できます。また、化粧品原料としての利用も随時行ってまいります。一般的に化粧品原料としては化学合成されたヒト型セラミドが広く使用されていることから、天然由来のヒト型セラミドは非常に期待が集まる素材になると予想しています。

<セラミド抽出残渣の有効活用>
サーキュラーエコノミーを目指し、セラミドを抽出した後の残渣の有効活用も検討しています。今回の実験で使用した「柚子かす」と「シメジ」の残渣を分析したところ、食物繊維が高い上に脂質が少なかったことから、ヘルシー食品原料としての展開が期待できます。

また、飼料への活用も検討中です。醤油かすセラミド抽出残渣を乳牛のエサに混ぜた実験では、牛の健康及び乳への影響はありませんでした。ミカンの皮をブリに食べさせると香りが良くなる効果があるように、「柚子かすヒト型セラミド」残渣が配合された飼料が及ぼす肉質への影響についても研究を進めてまいります。

※1:2018年、福岡県循環型社会形成推進功労者知事表彰、経済産業省産業技術環境局長賞受賞。2019年、環境省循環型社会形成推進功労者環境大臣賞受賞。今後の環境問題に配慮したアップグレードなリサイクルであると注目されました。URL: https://genuinerd.com/product/ceramide/
※2:肌のバリア機能を担う重要な物質。


■共同研究組織
名称 : 公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センター
代表者: センター長 中村 崇
所在地: 福岡県北九州市若松区ひびきの2番1号 産学連携センタービル4階
URL : https://www.recycle-ken.or.jp/


■会社概要

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/309336/LL_img_309336_2.jpg
ジェヌインR&D 京都研究所

社名 : 株式会社ジェヌインR&D
代表者: 代表取締役 宮鍋 征克
所在地: (本社) 福岡県福岡市東区高美台2丁目36番12号
(東京オフィス)東京都港区芝1丁目7-5 ロート東京ビル5階
(京都研究所) 京都府相楽郡精華町光台3丁目2-16
設立 : 2010年11月19日
資本金: 192,700,000円
URL : https://genuinerd.com/

事業内容:健康食品、健康補助食品、栄養補助食品、ダイエット食品の研究開発、製造、加工、卸・小売販売並びに輸出入/食料品、飲料水、酒類、農産物、水産物、畜産物の輸出入並びに卸・小売販売/バイオテクノロジーの研究開発、技術指導、及びその生産物並びに技術の販売/バイオテクノロジーの研究開発事業の受託/医薬部外品及び化粧品、石鹸等日用雑貨品の製造、卸・小売販売並びに輸出入/農水畜産物の加工及び卸・小売販売/前各号に付随関連する一切の業務


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