【「鶴の橋渡し」コラム連載二回目】日本僑報電子週刊第1502号配信

プレスリリース発表元企業:日本僑報社

配信日時: 2022-03-24 12:00:00


【日本僑報社発】3月23日に配信された日本僑報電子週刊第1502号は、中国人の女子大生が書いた「鶴の橋渡し」コラム・二回目の原稿を掲載しました。

【「鶴の橋渡し」コラム連載二回目】日本僑報電子週刊第1502号配信

【日本僑報社発】3月23日に配信された日本僑報電子週刊第1502号は、中国人の女子大生が書いた「鶴の橋渡し」コラム・二回目の原稿を掲載しました。

段躍中編集長は下記のように紹介してます。→好評を頂いている中国人の大学生による「鶴の橋渡し」コラム、二回目の記事を掲載させて頂きます。今回は、九ちゃんという学生さんが日本語で書いた「中国語に訳しにくい日本語の言葉」です。前回同様、とても素晴らしい記事ですので、ぜひご高覧ください。

本文→「鶴の橋渡し」コラム(2)中国語に訳しにくい日本語の言葉/九ちゃん

日本語の単語の意味は中国語の単語の意味と常に「一対一」で対応しているわけではない。特に、日本語には文化関連の独自の単語があり、その単語に相当する概念自体が中国語には存在しない場合、中国語に訳しにくい。

まず、雇用文化関連の言葉を取り上げると、日本語には、「年功序列」という言葉がある。「年功序列」は、勤続年数や年齢を重視し、役職や賃金を上昇させる人事制度のことを指す。「終身雇用」とともに、戦後日本の雇用制度の柱として今でも残っている。

しかし、中国の企業では、「エリート選別」のような面接があるため、勤続年数や年齢を問わず、優秀な人材であれば昇進させるという雇用制度が文化として定まっていて、日本の雇用文化と異なる。このように、日本の雇用文化関連の言葉で、中国語に対応している言葉がない場合、訳す際に、長い解釈を補足する必要があり、大変苦労する。

さらに、性差関連の言葉も訳しにくい。最近日本の働く女性を悩ませる「マタハラ」という言葉をよく耳にする。「マタハラ」とは、和製英語の「マタニティ・ハラスメント」の略で、働く女性が妊娠・出産を理由に解雇をされることや、職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントである。

中国の職場においても、「マタハラ」に相当する女性への軽蔑や、「性別役割分担意識」といったようなステレオタイプも存在しているが、日本よりそれほど厳しくないため、「マタハラ」のような専用の言葉で強調する必要がない。そのため、性差に関する言葉も、中国語に訳しづらいと思われる。

最後に、美学関連の言葉である。例えば、「侘び」は、日本の美意識の一つとして、閑静なところで、奥深いものや豊かなものが自ずと感じられる美しさを指す。にぎやかで活気がある雰囲気が好きな中国人は、そのような静的な美しさは理解しにくいため、訳しにくい。

したがって、日本文化関連の単語で、直接対応する中国語がない場合、文化を十分に理解した上で、その単語の意味を解釈する必要がある。

※九ちゃん 「鶴の橋渡し」コラムの編集者。現在、名古屋大学人文学研究科で日本語教育を専門とし、研究活動を行っている。日中両言語の研究にとどまらず、日中間の異文化間交流の活性化に貢献する研究活動を行うことを目指している。

※「鶴の橋渡し」コラム このコラムは、日本語を勉強している中国人学生の目線から、様々な日中文化をエッセイの形で紹介する。「鶴」は「長く幸せを運び、千年の長寿」を意味し、「橋渡し」は「橋をかけること」を意味している。日中国交正常化が50周年を迎えた年に、コラムの発信者らが千年生きる瑞鳥のように、日中間の橋掛けとなり、日中交流が末永く続きますようにという願いが込められている。


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