NPOカタリバ、ヤングケアラー支援プログラムをスタート 1/24当事者たちがリアルを語る支援現場の最前線セミナー開催

プレスリリース発表元企業:認定特定非営利活動法人カタリバ

配信日時: 2021-12-22 15:05:55

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、ヤングケアラーとその家族に寄り添うオンライン支援プログラムをスタートし、対象30家庭の新規募集を行うことになりましたのでお知らせします。これに伴い、ヤングケアラーの現状を知り、必要な支援を考えるためのオンラインセミナーを1月24日(月)に開催し、本セミナーを報道関係者向けに公開します。



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■中学生の17人に1人はヤングケアラー。当事者の自覚がないケースも

家庭で、両親や祖父母、きょうだいの世話や介護などをしている「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもたち。その割合が、中学生のおよそ17人に1人に上ることが国の初めての実態調査で分かりました。

同調査では、ヤングケアラーだと自覚している子どもは約2%でしたが、一方で「わからない」と回答した子どもが1割超存在することがわかっており、自分自身がヤングケアラーだという自覚がない「潜在的ヤングケアラー」も含めると、その出現率はさらに上がるという見方もあります。

さらに、特筆すべきポイントとして、世話をしている家族がいる場合、いない場合に比べて、「ひとり親家庭」の割合が高くなっている、またカタリバが支援している生活困窮世帯の中高生への実態調査でも、「週に1回以上家族の看病、世話をしている生徒の割合が約2割」という結果も出ており、ヤングケアラーを取り巻く環境はさまざまで、抱えている困難が複合しているケースもあり、その背景は単純ではないということもわかってきています。

※文部科学省|ヤングケアラーの実態に関する調査研究
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2021/04/koukai_210412_7.pdf
厚生労働省において文部科学省と連携し、ヤングケアラーの実態に関する調査研究を行い、令和3年3月に結果がとりまとめられました。


■ヤングケアラーとその家族のための支援プログラムがスタート

前述の通り、ヤングケアラーは「自分自身がヤングケアラーである」という自覚がないケースもあるという背景もあり、当事者からSOSが発されない、つまり支援が必要な対象として世の中に認識されにくいという側面があります。

実際に、カタリバでは2020年より、経済的事情を抱える家庭へオンラインでの伴走と学びの機会を届ける「キッカケプログラム」を提供していますが、プログラム参加者への調査から、実はその参加者の約9人に1人が「世話をしている家族がいる」と答えており、その子どもたちに対して個別に支援を行ってきました。

そうした背景からこのたび、これまでの支援対象をさらに拡大し、両親や祖父母、きょうだいの世話や介護などをしている中高生、またその家族への支援プログラム「キッカケプログラム forヤングケアラー」をスタートすることになりました。

本プログラムでは、ヤングケアラーとその家庭への支援のため、精神保健福祉士などの専門家への相談窓口や定期的にヤングケアラー同士で対話できる機会を設け、ケアの不安・負担の軽減サポートを目指します。

【支援1】専門家による、ヤングケアラーと家族のオンライン相談窓口
精神保健福祉士などの専門家(オンラインケアマネージャー)が、公的支援の受給に向けたサポートや様々な困りごと、悩みの相談に乗り、それぞれの家庭のありたい姿を一緒に考えます。

【支援2】ヤングケアラー向け対話プログラム
同じヤングケアラーとして頑張っている同年代との情報交換や、日常の困りごとを相談したり、ケアラーの先輩との対話を通して進路や将来について考えられる機会を設けます。

【支援3】保護者向けワークショップ
希望される方に、ケアや子育て、家族関係などをテーマとした参加型のイベントを開催します。

▼「forヤングケアラープログラム」について詳しくはこちら
https://kikkake.katariba.online/yc

当事者たちから寄せられた声を聞くと、「家族の介護のために学校が休みがちになり、大学進学を諦めなければならない」「周りの友達に相談できず孤独を感じている」「介護と学業の両立で精神的、肉体的負担が重なり体調を崩してしまった」など、家族のケアによってその子の人生にも影響が出てしまうというケースも散見されます。

私たちは、本プログラムへの参加者を増やしていくことで「ケアを要する家族がいる家庭で生まれ育っても、 未来に希望と豊かな選択肢を持ち、自分自身の可能性を拓いていける。」という世界を目指していきたいと考えています。


■1/24ヤングケアラー支援の当事者たちがリアルを語るイベントを開催

前述のとおり、カタリバではこれまでヤングケアラーの子どもたちに支援を行ってきました。その活動を通して見えてきた、実際にヤングケアラーの子どもたちが直面している課題や、必要とされている支援がどのようなものなのか、現状と展望について考えるオンラインセミナーを開催します。

本セミナーでは、支援側である精神保健福祉士、ケアマネージャーや、子どもに寄り添うキッズ/ペアレントメンター、また当事者である元ヤングケアラーを迎え、ヤングケアラーを取り巻く現状と課題、また本当に必要な支援について、パネルディスカッション形式で議論します。

【開催概要】
イベント:“ケア”を担う子どもたちの今~ヤングケアラー支援の現場から~
開催日時:2022年1月24日(月)19:30~21:00
環境:オンライン配信(Zoom/参加用URLは前日までにご案内します)
申込フォーム:https://forms.gle/GKCqUCqJ2ncfsH9g7
(*報道関係者はこちらにご登録ください:https://www.katariba.or.jp/report/
申込締切:2022年1月23日(日)23:59まで
費用:無料
対象:ヤングケアラーというテーマに関心がある方、教育や福祉分野に携わっている方、報道関係者、学生など、どなたでもご参加いただけます。

【プログラム】
19:30 開会
19:35 イントロダクション「日本社会におけるヤングケアラーを取り巻く環境」
19:50 トークセッション「ケアを担う若者たちのリアルと、描いていきたい社会」
元ケアラーの経験談、支援者側の声、これからの社会についてなど
20:45 質疑応答
21:00 終了
※プログラム内容と時間は変更になる場合がございます。

【登壇者】
■勝呂 ちひろ | Chihiro Suguro

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一般社団法人Omoshiro代表理事。精神保健福祉士としてお母さん、子どもたちへの「親子まるっと伴走支援」ケアマネージャー事業所運営。横浜でヤングケアラーのこどもたちへの居場所運営にも携わる。

■加賀 大資 | Daisuke Kaga

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カタリバ職員。東京都足立区にて、貧困や孤立など様々な困難を抱える子どもに向け居場所を兼ねた学習・食事・体験支援の複合型拠点、アダチベースを立ち上げ、運営する。現在は、外国ルーツの子どもたちや全国の困窮世帯向けオンライン支援事業を兼任し、生育環境に起因する教育格差に対する事業を統括する。

■和田 果樹 | Miki Wada

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カタリバ職員。大学院で教育心理学を学んだ後、新卒でNPOカタリバに入職。その後実母が難病ALSを発症。地元に帰り半年ほど休職し、ケアラーとして介護をしながらテレワークで働くことを選択。「キッカケプログラム forヤングケアラー」プロダクトマネージャー。

■えれえれさん

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シングルマザー家庭で、幼い頃から精神疾患を抱えた母のケア経験を持つ。現在は親元を離れ、東北地方の大学に通う大学4年生。


■認定特定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。

<団体概要>
設立 :2001年11月1日
代表 :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町・熊本県益城町)/災害緊急支援(西日本豪雨、令和元年東日本台風、熊本豪雨)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市・島根県益田市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区)
URL : https://www.katariba.or.jp/


■問い合わせ

取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/
(担当:カタリバ広報 高木・竹田)

プログラムに関するお問い合わせは下記迄ご連絡ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf0zn84r5MF5-l8urU1MrVuPP8cfol8qyP8VhYTlmhA3Fz-IQ/viewform
(担当:forヤングケアラープログラム 和田)

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