漁具の海洋流出を防ぐ枠組み目指し、基本合意を締結

プレスリリース発表元企業:WWFジャパン

配信日時: 2021-08-03 11:00:00

~WWFジャパンとテラサイクル、廃棄漁網を回収・リサイクルする取り組みを開始~

公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)とテラサイクルジャパン合同会社(神奈川県横浜市、アジア太平洋統括責任者:エリック・カワバタ、以下テラサイクル)は、海洋生態系に深刻な被害をもたらす漁具の海洋への流出を防ぐべく、漁具を適切に管理し、使い終わった漁網の回収・リサイクルを促進していくための基本合意を2021年6月に締結しましたのでお知らせいたします。今後WWFジャパンとテラサイクルは、地域の漁業協同組合や自治体などと連携し、使われなくなった漁網を回収し、廃棄漁網を資源として再度活用できるような取り組みを開始します。



【基本合意締結の背景】
“太平洋ごみベルト”と呼ばれる世界最大規模の漂流ごみのたまり場において、ごみの総重量の46%が漁具であった[1]という調査結果が注目を浴びるなど、近年、海洋に流出した漁具の問題が顕在化しています。漁具は主にプラスチックで作られており、一旦海洋に流出すると非常に長い間存在し続け、海洋生物に深刻な悪影響を与えることから、流出漁具は「ゴーストギア(幽霊漁具)」と呼ばれています。日本でも国が策定したプラスチック資源循環戦略の重点戦略に「漁具等の陸域回収徹底」が盛り込まれ、水産庁も漁具の適切な管理やリサイクル技術の普及の必要性を挙げています[2]。またWWFジャパンは他のNGOと共に、日本政府に対し漁具の流出防止、流出した際の被害軽減、回収・再生利用の体制の確立を求めています[3]。WWFジャパンとテラサイクルはこのような状況を鑑みて、これ以上漁具が海洋に流出するのを防ぐためにも、日本国内で発生する年間推定約5千トンの廃棄漁網[4]を適切に回収・リサイクルするための仕組みを構築することが必要だと考え、今回の合意に至りました。

【合意内容について】
今回の合意の下で、WWFジャパンとテラサイクルは地域の漁業協同組合や自治体などと連携し、使われなくなった漁網を回収します。回収した漁網は一度再生ペレットに戻したうえで、スポンサー企業の協力を得て、再度製品化されます。なお、リサイクルされた製品の売り上げの一部はWWFジャパンに寄付されます。加えて、WWFジャパンとテラサイクルは漁業協同組合や自治体などと連携し、このような回収・リサイクルといった資源循環の仕組みだけではなく、漁具の適正な管理体制を構築していく予定です。適正な管理体制と資源循環の仕組みが両立してこそ、今後の漁具の海洋流出を防ぐことができると考えるからです。

【協力団体・企業の募集について】
WWFジャパンとテラサイクルは現在、この活動に賛同・協力していただけるスポンサー候補を探しています。ゴーストギアを減らしていく本取り組みに賛同し、協力をご検討いただける団体や企業の皆様は、以下までご連絡をお願いします。

テラサイクルジャパン合同会社 bd.jp@terracycle.com

WWFジャパンならびにテラサイクルは、それぞれ「人類が自然と調和して生きられる未来」、「捨てるという概念を捨てよう」を目標として活動してきました。両者が協力することで、海洋生態系に深刻な被害を及ぼすゴーストギアを減らし、廃棄漁網を資源として再度活用することが可能になります。
WWFジャパンおよびテラサイクルは今後、地球環境を守りつつ、資源も有効利用できる方法を共に模索してまいります。


< 注釈 >
[1] Scientific reports https://www.nature.com/articles/s41598-018-22939-w
[2] 環境省 プラスチック資源循環戦略(概要) https://www.env.go.jp/press/files/jp/111746.pdf
水産庁 「漁業におけるプラスチック資源循環問題に対する今後の取組」の公表等について https://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/action_sengen/attach/pdf/190418-5.pdf
[3] 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」成立に際してのNGO共同提言 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000039807.html
[4] 環境省 漁業系廃棄物処理ガイドライン http://www.env.go.jp/recycle/post_55/mat01_1-1-1.pdf


【WWFジャパンについて】

[画像1: https://prtimes.jp/i/18383/138/resize/d18383-138-95944e1f8c6d59822e11-0.jpg ]

WWFは1961年にスイスで設立された国際的な環境保全団体です。人と自然が調和して生きられる未来を築くため、現在100カ国以上で、希少な野生生物の保護や、森や海などの自然環境の保全、自然資源の持続可能な利用、地球温暖化の防止などを目指したプロジェクトを展開しています。WWFジャパンは、1971年の設立以来50年にわたり、WWFの一員として活動しています。 https://www.wwf.or.jp/


【テラサイクルジャパン合同会社について】

[画像2: https://prtimes.jp/i/18383/138/resize/d18383-138-c689d977f20de3fa3e73-1.png ]

テラサイクルは「捨てるという概念を捨てよう」というミッションのもと、廃棄物問題に革新的な解決策を生み出す米国を本社とするソーシャルエンタープライズです。大手消費財メーカー、小売業者、行政などと協働し、使用済みのハブラシ、製品空き容器やパッケージなど、従来廃棄され、埋立地か焼却所にたどり着くしかなかったモノを回収しリサイクルする事業を現在20か国以上で展開しています。テラサイクルジャパンは2013年の設立以来、20以上の企業とリサイクルプログラムを実施して参りました。テラサイクルは2001 年の創業以来200以上の賞を受賞し、慈善団体や学校に44万米ドル以上の寄付を行ってきました。テラサイクルの詳細については、下記テラサイクルジャパンのウェブサイトをご覧ください。https://www.terracycle.com/ja-JP/

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