アジェンディアが多様な患者集団におけるマンマプリントおよびブループリントの有用性を示す革新的なFLEX試験のデータをASCO 2021で発表

プレスリリース発表元企業:Agendia, Inc.

配信日時: 2021-06-08 16:46:00

アジェンディアが多様な患者集団におけるマンマプリントおよびブループリントの有用性を示す革新的なFLEX試験のデータをASCO 2021で発表

ER陽性乳がんの全トランスクリプトーム解析は50歳未満と50歳超の女性の腫瘍で遺伝子発現に実質的な差がないことを示す
全トランスクリプトーム解析の結果は、ブループリントでER陽性基底細胞型およびER陰性基底細胞型と判定された腫瘍のゲノム発現プロファイルは非常に類似することを示し、ネオアジュバント治療の判断の指針となる臨床上実用的な情報をもたらす
FLEX実臨床レジストリーは乳がん患者を2021年末までに1万人組み入れ、最終的には計3万人の組み入れ数を目標


(米カリフォルニア州アーバイン & アムステルダム)-(ビジネスワイヤ) -- 乳がんの精密オンコロジー分野における世界的リーダー企業であるアジェンディアは、この種のものとして初となる全米FLEXレジストリーの新しいデータを、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で本日、初公開したと発表しました。

FLEX試験は全米の臨床医が主導し、共用の研究インフラを利用して、全トランスクリプトームデータに基づき、関心のある患者サブセットに関する仮説を立てて追究し、800を超える臨床データ要素による注釈付けを行いました。FLEXにより、患者と担当医師のさまざまなグループは、主要な研究センターの近くに住んでいなくても臨床試験に参加することができます。

セントルイスのワシントン大学メディカルスクールの腫瘍医でFLEXの全米治験責任医師のシンシア・X・マー医師(MD、PhD)は、次のように述べています。「私たち腫瘍医や研究者が利用できるデータは非常に幅が広く、拡大をしていますが、FLEXはこうしたデータの拡大に役立っていることを一貫して示しています。本レジストリーの連携的な特質により、医師は実際の臨床の場で立てた仮説を全国レベルで検証し、臨床的な重要性および科学的な関心の両面における疑問に対する答えを得るための機会が得られます。私たちの研究結果の奥深さと臨床的な意義は、乳がんコミュニティー全体が感じ取っています。」

バーチャル開催されたASCO 2021カンファレンスで、アジェンディアと共同研究者らは、現時点で患者を組み入れ中のFLEX試験に関する全般的な最新情報を、「FLEX実臨床データプラットフォームにより、早期乳がんにおける新しい遺伝子発現プロファイルと医師主導プロトコルを探究」(The FLEX real-world data platform explores new gene expression profiles and investigator-initiated protocols in early stage breast cancer)と題するポスターで発表しました。

今日問題となっている喫緊の臨床上の疑問に対する答えを提示するFLEXの力は、「50歳未満および50歳超の患者でHR陽性HER2陰性乳がんの腫瘍を比較した全トランスクリプトーム解析」(Whole transcriptome analysis comparing HR+ HER2- breast cancer tumors from patients <50 years and >50 years)と題するポスターで公表されたデータで具体的に明らかとなりました。本研究は、全トランスクリプトーム解析により、乳がん患者の年齢(50歳超か50歳未満)にかかわらず、HR陽性HER2陰性腫瘍の遺伝子発現に実質的な違いがないことが判明したことを示しました。ゲノム的に低リスクのがんを患った50歳未満の女性に対する化学療法で、一見すると年齢に依存する効果が最近の試験で観察されていますが、本データは、この効果が乳がんの内在的な生物学的差異が原因ではなく、むしろ患者に対する化学療法の間接的効果の差異が原因であると説明できる可能性を支持するものです。これらの研究結果は、情報に基づく治療計画の一部として、患者のゲノム発現プロファイルを使用して患者と担当医師が共同意思決定を行うことの不可欠性を一層高めるものです。

グレン・ファミリーの乳腺センター(エモリーセントジョセフ病院、ウィンシップがん研究所)乳房外科長を務め、年齢に基づく解析を取り上げたFLEXポスターの筆頭著者であるキャシー・グラハム医師(MD、FACS)は、次のように述べています。「早期乳がんにおけるゲノミクスの年齢に基づく解析は、ここ数年において非常に大きな注目を集めていますが、私たちは解析結果を発表できて大変うれしく思います。若い女性で見られる化学療法の効果は、必ずしも腫瘍に対する化学療法の細胞毒作用ではなく、卵巣抑制の副作用である可能性を示す傾向が見られるようになっていますが、この傾向は今回の解析結果でも観察されており、潜在的により非積極的な代替選択肢を利用できる場合に考慮すべき点です。」

高リスクER陽性乳がんにとって臨床的意義のある追加データを、ベイラー大学サモンズがんセンター乳がん研究部共同議長兼乳がん予防研究部議長、米国オンコロジーネットワーク議長を務め、米国オンコロジー研究ネットワーク科学諮問委員会のメンバーでもあるジョイス・オーショネッシー医師(MD)を含むFLEX治験担当医らが、「80遺伝子シグネチャーによって機能に基底細胞型または管腔細胞型Bに分類され、ゲノム的に高リスクのER陽性HER2陰性乳がんの分子プロファイル」(Molecular profiles of genomically High Risk ER+ HER2- breast cancer tumors classified as functionally Basal or Luminal B by the 80-gene signature)と題するポスターで発表しました。本研究は、ゲノム的に基底細胞型である高リスクER陽性腫瘍のサブグループのブループリントによる識別について全体像を示したものであり、これらのがんが生物学的にER陽性の管腔細胞型がんよりも、ER陰性の基底細胞型がん(およびトリプルネガティブ乳がん)に近いことが全トランスクリプトーム発現プロファイルの解析で明らかになることを示しました。従ってER陽性基底細胞型の腫瘍は、ER陽性管腔細胞型の腫瘍よりも積極的な治療を必要とする可能性があり、ブループリントが病理学的細分類以上に臨床上実用的な情報を提供し、ネオアジュバント療法に関する判断の指針となる可能性があることを裏付けています。

FLEXデータベースの別の研究では、予後不良の従来的な病理学的特徴であるリンパ管浸潤(LVI)と遺伝子発現パターンの相関を分析しました。「リンパ管浸潤に伴う遺伝子発現および早期乳がんにおけるゲノム上のリスク」(Gene expression associated with lymphovascular invasion and genomic risk in early-stage breast cancer)と題する本研究は、ウィンスロップ大学病院パールマッターがんセンター乳腺プログラムメディカルディレクターであるニーナ・ダブレオ(MD)と同僚らが発表したもので、リンパ管浸潤(LVI)の遺伝子発現の有無によって得られる潜在的な予後予測情報は既に、マンマプリントおよびブループリントによって取得できている可能性を示しました。重要な点として、マンマリスクで低リスクと判定されたがんにおけるLVIの有無は、全トランスクリプトーム遺伝子発現において識別可能ないかなる差異とも関連していませんでした。LVIは現在、乳がんの臨床的なリスク評価の大半で除外されており、今後の研究で臨床転帰の評価を行いますが、これらのデータはマンマプリントとブループリントが早期乳がんの層別化において現在不十分な部分を埋める可能性があることを示しています。

アジェンディアの大規模な前向きFLEX試験は一貫して、これまで実施された乳がん研究の中で最も動的かつ包括的な試験デザインによって実臨床証拠の豊富なデータ源となっておりあらゆる患者にとっての診断と個別化治療に役立つ指針を提供するという当社の使命を浮き彫りにしています。

アジェンディアについて

アジェンディアはカリフォルニア州アーバインに本社を置く精密オンコロジー企業として、一連の治療の全プロセスにおいて最善の判断を下すために必要な情報を早期乳がんの患者さんとその担当医に提供することに傾倒しています。現在、2種類のゲノムプロファイリング検査製品を販売しています。これらの検査製品は、最高レベルの臨床証拠および実臨床証拠によって支えられており、各患者で実現できる最も効果的な乳がん治療法を見極めるめに使用できる包括的なゲノム情報を提供します。

70遺伝子の乳がん再発アッセイ法であるマンマプリントは、査読付き論文に掲載された前向き試験による転帰データの裏付けがあり、国内および国際の治療ガイドラインに採用されている唯一のFDA承認済み再発リスク検査法です。ブループリント(BluePrint®)は、80遺伝子の分子サブタイピングアッセイ法であり、腫瘍の基礎的な生物学的特性を評価することで腫瘍の成長促進因子を見極めるための検査法として市販されている唯一の製品です。マンマプリントとブループリントを併用することで、包括的なゲノムプロファイルが得られ、医師が術前・術後の治療条件においてより多くの情報に基づいた意思決定ができるよう支えます。

アジェンディアは、証拠に基づいた新規ゲノム検査法を開発しており、次世代のデジタル治療ツールを開発すべく画期的な企業との提携関係を構築しています。現在進行中の研究で積み増している一連のデータは、患者さんの治療成績を改善するとともに、最初の診断からがん完治までのあらゆる段階で、乳がん患者さんとその担当医の方々の進展を見せる臨床ニーズを支えています。

アジェンディアのアッセイ製品は、術前・術後の治療方針を決定する際の情報を得るため、コア生検や外科標本採取に当たってご注文できます。アジェンディアのアッセイや進行中の試験に関する詳細情報については、www.agendia.comをご覧ください。

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