30日の中国本土市場概況:上海総合1.8%安で続落、不動産株などに売り

2024年1月30日 16:53

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記事提供元:フィスコ

*16:53JST 30日の中国本土市場概況:上海総合1.8%安で続落、不動産株などに売り
30日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比52.83ポイント(1.83%)安の2830.53ポイントと続落した。


指標発表前に買いが手控えられる流れ。中国ではあす31日、今年1月の製造業PMI(国家統計局などが集計)、非製造業PMI(同)が公表される予定だ。今月公表済みの主要経済統計では、不動産や消費の低迷が鮮明化しているだけに、内容を見極めたいとするスタンスも強まっている。中国不動産業を巡る不透明感も重し。香港高等法院(高裁)が「清算命令」を出し、売買停止中の中国恒大集団(3333/HK)については、今後、管財人によって資産売却などが行われ、債務整理が進められる。ただ、関係者によれば、大部分の資産が中国本土にあるため、清算作業は困難を伴う見通し。破綻処理の遅れは、業界の混乱につながる恐れもあると不安視されている。一方、中国債券市場では、10年債利回りが急低下(=債券価格は上昇)し、一時、2002年6月以来の低い水準で推移。中国の金融当局は一段の緩和に動くとの期待感が生じたものの、「株式などのリスク資産から安全資産へ資金が逃避した」との見方も一部で浮上した。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、不動産の下げが目立つ。光明地産(600708/SH)がストップ(10.0%)安、新城控股集団(601155/SH)が5.0%安、万業企業(600641/SH)が4.6%安、信達地産(600657/SH)が4.2%安、京能置業(600791/SH)が3.6%安で引けた。


ハイテク株も急落。ディスプレー基幹部品の彩虹顕示器件(600707/SH)がストップ(10.0%)安、電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が5.0%安、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が4.8%安、薄膜コンデンサー中国最大手の廈門法拉電子(600563/SH)が3.7%安、フィンテック大手の恒生電子(600570/SH)が3.3%安で取引を終えた。


消費関連株もさえない。ホテルの北京首旅酒店(600258/SH)が5.5%、チーズの上海妙可藍多食品科技(600882/SH)が5.1%、小売の王府井集団(600859/SH)が4.2%、自動車の安徽江淮汽車集団(600418/SH)が3.5%、乳業大手の光明乳業 (600597/SH)が3.4%ずつ下落した。医薬株、素材株、インフラ関連株、運輸株、金融株、公益株なども売られている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が5.35ポイント(2.15%)安の243.32ポイント、深センB株指数が21.36ポイント(2.06%)安の1015.87ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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