米国の景気悪化懸念が和らぎ、景気敏感株を中心に買われる【クロージング】

2023年4月18日 16:03

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記事提供元:フィスコ

*16:03JST 米国の景気悪化懸念が和らぎ、景気敏感株を中心に買われる【クロージング】
18日の日経平均は8営業日続伸。144.05円高の28658.83円(出来高概算10億1000万株)と終値ベースで3月9日以来の年初来高値を更新して取引を終えた。米景気後退への過度な警戒感が和らいだことを背景に上昇した前日の米国市場の流れを受けて、幅広い銘柄に買いが先行して始まった。連騰に伴う高値警戒感から利食い売りに伸び悩む場面もあったものの、外国人投資家などによる日本株の見直し買いに対する期待感が根強く、日経平均は後場中盤に28698.22円まで上げ幅を広げた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、水産農林、その他製品、情報通信、小売など26業種が上昇。一方、鉱業、石油石炭、非鉄金属など7業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、ダイキン<6367>が堅調だった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、信越化<4063>が軟化した。

前日の米国市場は、チャールズ・シュワブの予想を上回る決算が安心感につながったほか、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は10.8と市場予想(マイナス15)も上回り、主要株価指数はそろって上昇した。これを受け、銀行や鉄鋼、紙パルプなど景気敏感株を中心に買われた。また、午前11時に発表された中国の1-3月期GDPが前年同期比4.5%増加し、市場予想(4.0%増)を上回ったことも支援材料になったほか、「景況感の改善を背景に海外投資家が世界の景気敏感株とされる日本株に買いを入れ始めている」との声も聞かれた。一方、「半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)が2023年の設備投資を280億-320億ドルに引き下げる計画」と、海外メディアが伝えたことで、半導体関連株の弱い値動きが重荷となった。

米景気の底堅さから投資家心理が一段と好転し、ヘッジファンドなどの先物買いが加わったことが株価上昇の要因だろうとみている。目先的にはこの流れが続く可能性があり、持たざるリスクが一段と意識されることになるのかが注目される。ただし、日米ともに主力企業の決算発表が本格化してくるため、積極的な物色は手控えられやすい。しばらくは先物需給などに振らされやすい相場展開になりそうだ。《CS》

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