売り先行で始まるも押し目買い意欲の強さが窺える【クロージング】

2023年4月13日 16:00

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記事提供元:フィスコ

*16:00JST 売り先行で始まるも押し目買い意欲の強さが窺える【クロージング】
13日の日経平均は5営業日続伸。74.27円高の28156.97円(出来高概算9億7000万株)で取引を終えた。米国景気の先行き警戒感から前日の米株式相場が下落した流れを引き継ぎ、日経平均は取引開始直後に27952.01円まで水準を切り下げた。ただし、大引け後に決算発表を予定しているファーストリテ<9983>への思惑買いが入ったほか。前日に好調な決算を発表した小売株、景気動向に左右されないディフェンシブ銘柄の一角が堅調だったため、相場を支えた。日経平均は前場半ばに上昇に転じると、後場終盤には28163.87円まで上げ幅を広げる場面があった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が900を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、医薬品、小売、倉庫運輸、その他金融など18業種が上昇。一方、鉄鋼、空運、証券商品先物、その他製品など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ、第一三共<4568>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、オリンパス<7733>、ソニーG<6758>が軟化した。

前日に発表された3月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、銀行の信用供与が予想以上に減り、経済活動を大きく抑制する可能性が指摘され、金融不安の経済への悪影響が改めて意識され、主要株価指数は下落した。SOX指数が1.8%安と大きく下げたこともあって、半導体関連株の重荷となった。一方、総合スーパー事業が3期ぶりの黒字転換を果たしたイオン<8267>が堅調だったほか、中期経営計画の数値目標を上方修正したコメダHD<3543>が急伸するなど、好決算を手掛かりとした物色が見られるなど、物色の強さが窺えた。

また、注目された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が5.0%と2月から鈍化し、市場予想(5.1%)も下回るなど、インフレはピークアウトの兆しがみえており、投資マインドは上向きつつある。バフェット効果も継続しており、海外勢による日本株への見直し買い期待も底流にある。ただし、今月下旬から本格化する国内主要企業の決算を確認したいと考える向きが多く、目先は値固め展開が続きそうだ。《CS》

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