半年ぶりに心理的な節目の28500円を回復【クロージング】

2023年3月9日 16:07

印刷

記事提供元:フィスコ

*16:07JST 半年ぶりに心理的な節目の28500円を回復【クロージング】
9日の日経平均は5営業日続伸。178.96円高の28623.15円(出来高概算12億株)と昨年9月13日以来約半年ぶりに心理的な節目である28500円を回復して取引を終えた。前日の米国市場でハイテク関連株が上昇した流れを映して、値がさハイテク株を中心に買いが先行して始まった。日経平均は取引開始直後に28734.79円まで値を上げ、取引時間中としては、昨年8月26日以来の高値水準となった。その後は、黒田東彦総裁での最後となる日銀金融政策決定会合の結果や2月の米雇用統計の発表を控えて、様子見ムードが広がったものの、買い遅れている向きも多く、28600円前後での堅調展開が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1400を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、鉱業とゴム製品を除く31業種が上昇し、鉄鋼、海運、パルプ紙、保険、銀行などの上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、信越化<4063>、第一三共<4568>、ファナック<6954>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、電通グループ<4324>、ソニーG<6758>が軟化した。

前日の米国市場は高安まちまちだったものの、ナスダック指数やSOX指数が上昇したため、東京市場でもハイテク関連株中心に値を上げる銘柄が増加した。また、中国からの訪日旅行客の回復期待からインバウンド関連や3月期末の配当権利取りを狙った動きのほか、先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出日に絡んだ先物への買い戻しなどが入り、日経平均は一時300円近く水準を切り上げる場面もあった。

日経平均は今年1月5日から12日まで以来となる5連騰となり、昨年11月高値(28502円)を突破して引けた。短期的には過熱感があるものの、欧米対比での割安感や中国の景況感改善期待などから、昨年8月高値(29222円)奪回が視野に入ってきているとの声が聞かれるなど、先高期待感が日に日に強まってきている。ただ、週末の米雇用統計、来週14日の米消費者物価指数(CPI)など米国のインフレ動向を確認したいと考える向きも多い。このため、米国でのイベントを確認するまでは、戻り待ちの売りをこなしながらの展開が想定される。《CS》

関連記事