米利上げ長期化への懸念後退から2カ月半ぶりの高値水準に【クロージング】

2023年3月3日 16:00

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記事提供元:フィスコ

*16:00JST 米利上げ長期化への懸念後退から2カ月半ぶりの高値水準に【クロージング】
3日の日経平均は大幅反発。428.60円高の27927.47円(出来高概算12億6000万株)で取引を終えた。前日の米国市場で主要株価指数が上昇した流れを引き継ぎ、幅広く買いが先行。日経平均は後場中盤にかけて27961.21円まで上げ幅を広げ、取引時間中としては、昨年12月15日以来約2カ月半ぶりとなる28000円の大台に急接近した。ただ、週末のポジション調整の動きが見られたほか、来週に控える米雇用統計の結果を見極めたいと考える向きも多かったため、その後は28000円手前での推移が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1400を超え、全体の8割を占めた。セクター別では、保険、パルプ紙、空運を除く30業種が上昇し、精密機器、卸売、鉱業、医薬品、化学などの上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、第一三共<4568>、信越化<4063>、ファナック<6954>、KDDI<9433>が堅調だった半面、大塚HD<4578>、ソフトバンクG<9984>が軟化した。

アトランタ連銀のボスティック総裁は0.25%の利上げ幅を支持したことで利上げ長期化への警戒感は和らぎ、前日の米国市場では主要株価指数が上昇。東京市場もリスク選好ムードが強まり、日経平均の上げ幅は一時450円を超えた。また、5日から開催される中国の全国人民代表会議を前に追加の景気対策への思惑から中国景気の改善期待を意識させ、鉄鋼や化学、商社などのシクリカル銘柄にも値を上げる銘柄が目立った。

日経平均は2月6日の直近高値(27821円)を上回り、このところのレンジを上抜けてきた。「短期筋による先物買いなどがその要因だが、ボックス上限を突破した意義は大きく、先高期待が高まりやすい」との見方が増え始めている。ただ、きょうの上昇は来週の特別清算指数(SQ)算出日を前にした買い戻しの動きが活発化したとの指摘もあり、目先的には値動きの荒い展開が続く可能性も残っているだろう。《CS》

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