米CPIなど重要イベントを控え、様子見ムードが広がる【クロージング】

2022年12月12日 16:17

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記事提供元:フィスコ

*16:17JST 米CPIなど重要イベントを控え、様子見ムードが広がる【クロージング】
12日の日経平均は反落。58.68円安の27842.33円(出来高概算9億2000万株)で取引を終えた。9日の米国市場で、11月の卸売物価指数(PPI)が前月比0.3%上昇と市場予想(0.2%上昇)を上回ったため、大幅な利上げに対する懸念が再燃し主要株価指数が下落。これを受けて売りが先行して始まり、日経平均は取引開始直後に27734.66円まで水準を切り下げた。ただし、13日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)の結果などを見極めたいと考える投資家も多く、次第に模様眺めムードが広がり、出来高は11月25日以来約2週間ぶりとなる10億株割れと薄商いだった。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が970を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、海運、その他金融、ゴム製品など13業種が上昇。一方、鉄鋼、非鉄金属、卸売、繊維製品、金属製品など20業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、テルモ<4543>、エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、TDK<6762>、アドバンテス<6857>が軟化した。

先週末の米国市場は、PPIの上振れによりインフレ高進への警戒感から利上げ継続への思惑から主要株価指数は下落。東京市場も売りが先行する格好から、日経平均の下げ幅は一時150円を超えた。ただ、日米金利差拡大への思惑から、円相場が1ドル=137円台前半へと円安が進んだことで、自動車株など輸出関連株の一角がしっかりしていたことが相場を支えた。

PPIが市場予想を上回ったことで、投資家は一段とインフレ動向に警戒心を強めているようで、13日のCPIの結果に加え、米時間14日に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果にも一層関心が高まっている。FOMCでは0.5%の利上げが実施されることは織り込まれているが、米メディアが「2023年の政策金利見通しが上方修正される可能性がある」と伝えたため、利上げの最終到達地点である「ターミナルレート」の中央値が前回9月の4.6%からどこまで上昇するのかがポイントになるとみている。このため、米国での重要イベントを前に積極的に持ち高を一方向に傾ける投資家は少ないようで、狭いレンジ内の動きが続きそうだ。《FA》

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