アスカネットは23年4月期増収増益予想据え置き、2Q累計増収・大幅増益と順調

2022年12月12日 14:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アスカネット<2438>(東証グロース)は12月9日の取引時間終了後に23年4月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。増収・大幅増益と順調だった。フューネラル事業において遺影写真加工枚数が想定以上に増加し、写真集関連のフォトブック事業においてはコロナ禍の影響が和らいだ。そして通期の増収増益予想を据え置いた。人員拡充、積極的な研究開発活動の継続、原材料費や仕入価格の上昇、広告宣伝費の増加などを考慮して小幅増益にとどまる予想としている。ただし保守的な印象が強く通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍くモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。第2四半期累計の大幅増益を評価して出直りを期待したい。

■23年4月期増収増益予想据え置き、2Q累計増収・大幅増益と順調

 23年4月期第1四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比7.8%増の31億60百万円、営業利益が21.1%増の1億37百万円、経常利益が28.1%増の1億50百万円、四半期純利益が29.4%増の1億03百万円だった。増収・大幅増益と順調だった。フューネラル事業において遺影写真加工枚数が想定以上に増加し、写真集関連のフォトブック事業においてはコロナ禍の影響が和らいだ。

 セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が12.8%増の14億43百万円で営業利益が4.1%増の3億12百万円だった。コロナ禍も影響して葬儀の小規模化傾向が継続しているが、売上面では遺影写真加工枚数が想定以上に増加し、画像処理収入やサプライ品売上が好調だった。全国的な葬儀施行件数の増加、自社営業による葬儀社との新規契約獲得も寄与した。ITテクノロジーを活用した「葬テック」として提供している「tsunagoo」サービスも順調だった。利益面は、画像処理部門オペレーターを中心とする人員増強で人件費が増加し、広告宣伝費や旅費交通費なども増加したが、増収効果で吸収した。

 写真集関連のフォトブック事業は売上高が4.6%増の16億68百万円で営業利益が14.2%増の2億82百万円だった。売上面では、一般消費者向け「マイブック」はコロナ禍による旅行やイベントの自粛、マスク着用の常態化に伴う撮影機会の減少で厳しい状況が続いているが、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」のウェディング市場において、コロナ禍の影響が和らいで売上が回復傾向となった。家族写真や子ども写真などスタジオ向け写真集も堅調だった。利益面は、原材料価格高騰の影響があったが、増収効果に加えて、売上増加に伴う稼働率回復が寄与した。

 空中結像プレートASKA3D関連の空中ディスプレイ事業は売上高が89.6%減の51百万円で営業利益が1億61百万円の損失(前年同期は1億70百万円の損失)だった。売上面では、コロナ禍による営業活動制限の影響で、海外を中心に有力案件が長期化傾向となった。利益面は、展示会出展の増加に伴って広告宣伝費が増加したが、研究開発費のコントロールなどで営業損失が縮小した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が15億43百万円で営業利益が52百万円、第2四半期は売上高が16億17百万円で営業利益が85百万円だった。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が22年4月期比8.8%増の68億90百万円、営業利益が2.3%増の4億50百万円、経常利益が8.2%増の4億90百万円、当期純利益が4.6%増の3億48百万円としている。配当予想は1円増配の8円(期末一括)としている。

 コロナ禍影響の緩和などで増収増益・増配予想としている。売上高の計画は葬儀関連のフューネラル事業が4.9%増の29億10百万円、写真集関連のフォトブック事業が6.4%増の36億30百万円、空中結像プレートASKA3D関連の空中ディスプレイ事業が137.1%増の3億50百万円としている。利益面は、フューネラル事業における画像処理オペレーターの大幅な人員拡充、空中ディスプレイ事業における積極的な研究開発活動の継続、各事業における原材料費や仕入価格の上昇、展示会再開に伴う広告宣伝費の増加などを考慮して小幅増益予想としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が45.9%、営業利益が30.4%と低水準の形だが、下期の構成比が高い季節特性がある。会社予想は全体として保守的な印象が強く、第2四半期累計が順調だったことを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍くモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。第2四半期累計の大幅増益を評価して出直りを期待したい。12月9日の終値は976円、今期予想PER(会社予想のEPS20円68銭で算出)は約47倍、今期予想配当利回り(会社予想の8円で算出)は約0.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS358円24銭で算出)は約2.7倍、そして時価総額は約170億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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