9日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で3日ぶり反発、不動産株に買い

2022年12月9日 16:51

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記事提供元:フィスコ

*16:51JST 9日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で3日ぶり反発、不動産株に買い
9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比9.60ポイント(0.30%)高の3206.95ポイントと3日ぶりに反発した。


中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。翌年の経済政策方針を決める重要会議「中央経済工作会議」が中国で15日にも始まる——などと伝わった。報道によれば、不動産を巡る政策スタンスが一段と軟化する可能性があるという。中国リオープン(経済再開)の進展も材料視された。中国本土で新型コロナウイルスの新規感染数は、8日まで11日連続で減少。当局がコロナ防疫措置の緩和方針を打ち出したこともあり、各地で行動抑制などの措置が解除されつつある。コロナ対策を巡っては、李克強・首相が「措置の緩和により、中国経済の成長は続く」と述べた。寄り付き直後に公表された11月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス1.6%となり、市場予想(1.6%)に一致。生産者物価指数(PPI)はマイナス1.3%となり、予想(マイナス1.5%)ほど下押ししなかった。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、不動産の上げが目立つ。格力地産(600185/SH)がストップ(10.0%)高、新城控股集団(601155/SH)が6.7%高、金地集団(600383/SH)が4.5%高、保利地産(600048/SH)が3.1%高、緑地HD(600606/SH)が2.1%高で引けた。格力地産については、免税店経営事業に参入すると発表したことも刺激。同社は8日、珠海市免税企業集団有限公司の権益100%を買収する計画を発表した。珠海市国有資産監督管理委員会、珠海城市建設集団有限公司から買い取る。新株発行を通じて最大8億人民元(約157億円)を調達し、その代価とする予定だ。


金融株もしっかり。招商銀行(600036/SH)が3.7%高、中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が3.3%高、中国平安保険(601318/SH)が1.0%高で取引を終えた。


酒造株も高い。四川水井坊(600779/SH)が4.8%、貴州茅台酒(600519/SH)が2.5%、青島ビール(600600/SH)が1.6%ずつ上昇した。食品・農業株、素材株、半導体株、医薬品株なども買われている。


半面、発電株は安い。国投電力(600886/SH)が3.8%、華能国際電力(600011/SH)が2.6%、華電国際電力(600027/SH)が2.2%、上海電力(600021/SH)が1.3%ずつ下落した。エネルギー株、自動車株、軍事関連株、運輸株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.43ポイント(0.49%)高の291.57ポイント、深センB株指数が9.63ポイント(0.83%)高の1163.25ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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