31日の香港市場見通し:上値の重い展開か、中国経済に先行き不透明感

2022年10月31日 10:15

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記事提供元:フィスコ

*10:15JST 31日の香港市場見通し:上値の重い展開か、中国経済に先行き不透明感
週明け31日の香港市場は、中国経済の先行き不透明感で上値の重い展開か。外部環境は安定的。28日の米株市場は、ハイテク大手の決算好感で、主要指標のNYダウが前日比2.6%高と大幅に6日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.9%高と3日ぶりに急反発した。このところハイテク大手のさえない決算が続いていたものの、アップルやインテルなどの好業績が明らかとなり、投資家心理が上向いている。アップルの7-9月期決算では、売上高が過去最高を記録。インテルの決算では、1株利益が予想を上回った。

一方、中国国内の環境は不透明。国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向を示す中、広東省広州市や湖北省武漢市などは新たな行動規制を実施した。コロナ感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策に関しては、市場の一部で近く緩和されるとの期待もあったが、実際には強化されている。

なお本日は(日本時間午前10時30分ごろ)、10月のPMI(国家統計局などが集計)が公表される予定。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが49.8(前回50.1)、非製造業PMIが50.1(前回50.6)にそれぞれ低下する見込みだ。

こうした中、本日の香港市場は全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高は支えとなりそうだが、中国経済の停滞が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、指数はこのところの下げで値ごろ感が強まっているだけに(ハンセン指数は13年ぶり安値)、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。

【亜州リサーチ(株)】《NH》

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