JFEシステムズは23年3月期2Q累計2桁増収増益と順調、通期利益上振れ余地

2022年10月27日 17:38

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  JFEシステムズ<4832>(東証スタンダード)は10月26日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。鉄鋼向けの好調が牽引して2桁増収増益と順調だった。通期は売上高を上方修正したが、利益面は売上構成差などを考慮して小幅増益予想を据え置いた。ただし保守的な印象が強く、利益予想にも上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏でモミ合う展開だが、地合いが悪化する中でも大きく下押す動きは見られない。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計2桁増収増益と順調、通期利益予想に上振れ余地

 23年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比12.1%増の271億33百万円、営業利益が13.1%増の27億79百万円、経常利益が13.1%増の28億04百万円、親会社株主帰属四半期純利益が13.5%増の18億40百万円だった。

 JFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトの進展が牽引して2桁増収増益と順調だった。コスト面では従業員の処遇改善等の費用が増加したが、高採算案件の前倒しも寄与して増収効果で吸収した。部門別売上高は鉄鋼が20億円増加の131億円、一般顧客が5億円増加の83億円、基盤がインフラ構築の増加などで1億円増加の34億円、子会社(2社)が3億円増加の23億円だった。なお売上総利益率は売上構成差などで0.7ポイント低下したが、販管費比率は0.8ポイント低下した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が135億26百万円で営業利益が12億23百万円、第2四半期は売上高が136億07百万円で営業利益が15億56百万円だった。

 通期連結業績予想(10月26日付で売上高を10億円上方修正、各利益を据え置き)は、売上高が22年3月期比9.1%増の550億円、営業利益が1.1%増の56億70百万円、経常利益が1.0%増の57億円、親会社株主帰属当期純利益が0.4%増の37億40百万円としている。配当予想は10円増配の85円(第2四半期末40円、期末45円)としている。連続増配予想である。なお中間配当を実施した。

 修正後の部門別売上高の計画は、鉄鋼が製鉄所システムリフレッシュの更なる進展で37億円増加の267億円(前回予想比6億円上方修正)、一般顧客が大型案件の減少で2億円増加の166億円(同6億円上方修正)、基盤がセキュリティ強化案件の増加などで4億円増加の73億円(同1億円上方修正)、子会社が3億円増加の47億円(同3億円下方修正)としている。

 売上高については、JFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトが想定以上の進展が見込まれることなどを考慮して上方修正した。利益面は売上構成差、IT人材確保に向けた処遇改善費用や研究開発費用の増加などを考慮して、小幅増益にとどまる見込みとしている。経常利益の0.6億円増益の分析(見込み)は、増益要因が売上増加で10.5億円、減益要因が研究開発費増加・従業員処遇改善などで▲9.9億円としている。

 ただし会社予想は保守的な印象が強い。第2四半期累計が2桁増収増益と順調だったことを勘案すれば、利益予想にも上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏でモミ合う展開だが、地合いが悪化する中でも大きく下押す動きは見られない。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。10月26日の終値は2335円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS238円14銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想85円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1469円63銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は367億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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