ベステラは23年1月期1Qが2桁営業増益と順調で通期上振れ余地

2022年6月10日 12:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  ベステラ<1433>(東証プライム)は6月9日の取引時間終了後に23年1月期第1四半期連結業績を発表した。大型工事が順調に進捗し、先行投資を吸収して2桁営業増益と順調だった。通期(大型工事が進捗して増収・営業増益、一過性利益剥落で経常・最終減益)予想は据え置いた。第4四半期の構成比が高い収益特性も勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。今期も受注見込みの有力案件が多数控えており、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は底固め完了して緩やかながら反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■23年1月期1Qが2桁営業増益と順調で通期上振れ余地

 23年1月期第1四半期(22年2月~4月)の連結業績は、売上高が前年同期比27.5%増の16億81百万円、営業利益が10.3%増の2億18百万円、経常利益が11.9%増の2億19百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.2%減の1億21百万円だった。

 売上高は第1四半期として過去最高を達成した。大型の進行基準工事が順調に進捗し、21年12月に子会社化した矢澤(アスベスト除去工事に強みを持つ環境対策工事)の連結も寄与した。コスト面では先行投資で人件費などが増加したが、増収効果で吸収して2桁営業増益だった。

 プラント解体事業の完成工事高は29.2%増の16億22百万円で、完成工事の業界別構成比は電力が9%、製鉄が25%、石油・石化が33%、環境が19%、ガスが2%、3Dが2%、その他が10%だった。環境関連の工事需要の高まりや矢澤のグループ化で環境分野の構成比が上昇している。なお受注工事高は115.6%増の17億04百万円で、受注残高は16億76百万円となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年1月期比12.3%増の67億円、営業利益が2.0%増の6億20百万円、経常利益が20.8%減の6億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が68.1%減の4億69百万円としている。配当予想は22年1月期比4円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 前期に計上した一過性利益(持分法投資利益、特別利益)が剥落し、さらに成長投資(新たな環境関連工法の研究開発、クレーンレール検査ロボット開発、人材育成システムの構築、積極的なM&Aなど)で経常・最終減益予想としている。ただし完成工事が順調に進捗して増収・営業増益見込みである。そして受注も堅調に推移する見込みだ。

 第1四半期の営業利益進捗率は35.3%と順調である。第4四半期の構成比が高い収益特性も勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。今期も受注見込みの有力案件が多数控えており、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は底固め完了して反発の動き

 株価は底固め完了して緩やかながら反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。6月9日の終値は1238円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円40銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円81銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約109億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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