12日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で反発、本土株高が追い風に

2022年4月12日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 12日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で反発、本土株高が追い風に
12日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比110.83ポイント(0.52%)高の21319.13ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が55.94ポイント(0.78%)高の7264.43ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は1283億5320万香港ドルとなっている(11日は1222億8230万香港ドル)。


本土株高が支えとなる流れ。米長期金利の上昇基調、中国の新型コロナウイルス感染拡大を嫌気して朝方は安く推移していたものの、本土株が反転する中、香港の各指数もプラスに転じた。中国の経済対策、産業統制の緩和などに関する期待感が投資家心理を上向かせている。(亜州リサーチ編集部)


セクター別では、オンラインゲーム関連が高い。中手遊科技集団(302/HK)が7.5%、IGG(799/HK)が6.3%、網易(ネットイース:9999/HK)が4.2%、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.6%ずつ上昇した。中国のゲーム規制緩和を好感。国家新聞出版署は11日夜、国産ゲームのリリース(出版)許可審査の結果を発表し、8日付で計45タイトルを認可したと説明した。新作ゲームの承認は、昨年7月以来となる。


エアラインや代理店、カジノ、外食など「アフターコロナ」銘柄も急伸。中国国際航空(753/HK)が6.2%高、中国東方航空(670/HK)が6.0%高、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が5.3%高、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が5.5%高、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が6.6%高、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が5.5%高、海倫司国際HD(9869/HK)が12.9%高、九毛九国際HD(9922/HK)が9.9%高と値を上げた。中国の新規コロナ感染者数は依然として高止まりしているものの、徐々に落ち着くとの見方が一部で広がっている。事実上のロックダウン(都市封鎖)を実施している上海市で、約4割の地区で外出規制が一部解除された。


中国証券セクターもしっかり。中信証券(6030/HK)が2.5%高、広発証券(1776/HK)が2.2%高、中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が2.1%高で引けた。マーケットの活況が期待される。中国政府関係部局が11日、株式市場の安定策をまとめて発表したことが材料視された。


他の個別株動向では、石炭生産で国内2位の中国中煤能源(1898/HK)が14.0%高。同社は昨日引け後、第1四半期(1〜3月)業績の大幅増益見通しを明らかにした。発電設備メーカーの東方電気(1072/HK)は6.0%高。同社は、1〜3月期の純利益が前年同期比40〜50%増加すると予測した。


半面、管理サービスやデベロッパーの中国不動産セクターは安い。融創服務HD(1516/HK)が3.2%、雅生活智慧城市服務(3319/HK)が2.2%、碧桂園服務HD(6098/HK)が1.9%、碧桂園HD(2007/HK)が2.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が2.2%ずつ下落した。


そのほか、エチレンメーカー中国最大手の中国石化上海石化(サイノペック上海石化:338/HK)が3.1%安。同社は昨日引け後、第1四半期(1〜3月)業績で純利益が前年同期比80〜84%減少するとの見通しを明らかにした。


一方、本土市場トは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.46%高の3213.33ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。金融株、インフラ関連株、医薬品株、ハイテク株、運輸株、公益株なども買われた。半面、不動産株は値下がりしている。

亜州リサーチ(株)《FA》

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