4日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で続伸、ADR上場銘柄の上げ目立つ

2022年4月4日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 4日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で続伸、ADR上場銘柄の上げ目立つ
週明け4日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比462.76ポイント(2.10%)高の22502.31ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が233.82ポイント(3.10%)高の7770.98ポイントとそろって続伸した。ハンセン指数は約1カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1028億840万香港ドルと低水準が続いた(1日は945億9990万香港ドル)。


中国経済対策の期待感が持続する流れ。官民が発表した3月の景況感指数はそろって悪化し、景気不安が高まったものの、逆に当局が景気対策を強めるとの見方も広がっている。中国株ADRを巡る米中対立の警戒感が薄らいだこともプラス。ADR上場する企業の会計検査に関しては、中国証券当局が域外上場企業の監査規定を変更し、米側に歩み寄りをみせた。米証券当局は、監査状況の検査を義務付けた「外国企業説明責任法(HFCAA)」に抵触する上場企業のリストに複数の中国企業をリストアップしている。米国と重複上場する銘柄が多く採用されるハンセン科技(テック)指数は5.4%上昇し、他の指数をアウトパフォームした(構成銘柄30のうち上昇29)。(亜州リサーチ編集部)


テック指数の構成銘柄では、動画配信プラットフォーム大手のビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が13.3%高と上げが目立っている。


電気自動車(EV)メーカー銘柄も急伸。小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が10.3%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が10.2%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が8.2%高、蔚来汽車(ニーオ:9866/HK、NIO/NYSE)が7.7%高で引けた。各社が報告した3月の営業実績では、納車台数が前年同月から大幅に拡大している。


デベロッパーや管理サービスの中国不動産セクターも高い。中国金茂HD(817/HK)が20.3%、万科企業(2202/HK)が11.2%、雅居楽集団HD(3383/HK)が10.3%、碧桂園服務HD(6098/HK)が16.2%、融創服務HD(1516/HK)が14.2%ずつ上昇した。このところの下落基調を受け、値ごろ感が着目されている。地方政府が3月に入り、不動産規制の緩和策を相次ぎ打ち出したことも支えだ。


医薬品セクターもしっかり。上海復星医薬集団(2196/HK)が12.2%高、百済神州(ベイジーン:6160/HK、BGNE/NASDAQ)が6.4%高、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が5.9%高、薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が5.6%高、石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が5.2%高と値を上げた。百済神州は上述したHFCAAに抵触する上場企業の確定リスト入りしている。米上場廃止の不安がやや薄らいだ。石薬集団に関しては、新薬に対する期待も高まっている。同社は3日、自主開発した新型コロナウイルスのmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン「SY6006」について、国家薬品監督管理局から臨床試験の認可を得たと発表した。


外食関連の銘柄も物色される。百勝中国HD(ヤム・チャイナ・ホールディングス:9987/HK、YUMC/NYSE)が5.3%高、奈雪的茶HD(2150/HK)と呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)がそろって5.2%高、太興集団HD(6811/HK)が4.1%高で取引を終えた。前記した百済神州と同様に、百勝中国もHFCAAに抵触する上場企業の確定リスト入りしている。


なお、本土市場はきょう4日とあす5日が清明節の祝日で休場。香港市場はあす5日が休場となる。

亜州リサーチ(株)《FA》

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