1日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で反発、消費関連に買い

2022年4月1日 18:05

印刷

記事提供元:フィスコ


*18:05JST 1日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で反発、消費関連に買い
1日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比42.70ポイント(0.19%)高の22039.55ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が11.27ポイント(0.15%)高の7537.16ポイントとそろって反発した。売買代金は945億9990万香港ドルと低水準が続いている(3月31日は1023億9520万香港ドル)。


本土株高が支えとなる流れ。中国景気の先行きや米中の対立などを不安視し、指数は安く推移していたものの、上海総合指数がほぼ高値引けする中、引け際にプラス転換した。今年3月の中国景況感指数(製造業PMI)が悪化したことで、当局は景気テコ入れ策を強めるとの見方が強まっている。市場予想(49.8)以上に悪化した。景況判断の分かれ目となる50を5カ月ぶりに割り込んでいる。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が5.7%高、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(9633/HK)が4.4%高、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.2%高と上げが目立った。


セクター別では、消費関連が高い。上記した農夫山泉や恒安のほか、北京京客隆商業集団(814/HK)が6.2%、康師傅HD(322/HK)が4.1%、統一企業中国HD(220/HK)が3.2%ずつ上昇した。生活必需品の買いだめ需要が膨らむとの思惑が強まっている。新型コロナウイルス感染再拡大に歯止めがかからない中、上海市では、きょう4月1日より、東部に続き西部で事実上のロックダウン(都市封鎖)が開始された。


海運セクターも急伸。中遠海運HD(1919/HK)が9.8%高、海豊国際HD(1308/HK)が5.9%高、太平洋航運集団(2343/HK)が5.2%高、東方海外(316/HK)が4.9%高と値を上げた。コンテナ海運大手の中遠海運は昨日引け後、2022年第1四半期(1〜3月)の純利益が78.6%増加するとの見通しを発表。業界全体の追い風となった。


半面、「ニューエコノミー」関連銘柄の一角はさえない。ハンセン科技(テック)指数は0.7%逆行安した。個別では、インターネット検索中国最大手の百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が4.5%安と続落。米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が「会計監査を巡る米中合意が近い」とする観測を打ち消したことで、百度ADRの上場廃止懸念が再び強まった。SECは3月30日、「外国企業説明責任法(HFCAA)」に抵触する上場企業の暫定リストに同社など複数の企業を追加している。


ほか、米国・香港に重複上場する電気自動車(EV)メーカーも下落。蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が3.0%安、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が2.6%安と値を下げた。


中国の外食関連も安い。奈雪的茶HD(2150/HK)が5.3%、海底撈国際HD(6862/HK)が3.3%、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が2.8%、百勝中国HD(9987/HK)が2.1%ずつ下落した。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.94%高の3282.72ポイントで取引を終了した。運輸株が高い。消費関連株、不動産株、金融株、公益株、素材株、半導体株なども買われた。半面、医薬品株は安い。エネルギー株、インフラ関連株も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

関連記事