9日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で4日ぶり反落、科技指数1.7%低下

2022年2月9日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 9日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で4日ぶり反落、科技指数1.7%低下
9日の香港市場は、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比500.50ポイント(2.06%)高の24829.99ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が210.03ポイント(2.47%)高の8723.33ポイントとそろって反発した。売買代金は1407億5840万香港ドルに拡大している(8日は1295億1140万香港ドル)。


中国経済対策の期待感が相場を押し上げる流れ。中国人民銀行(中央銀行)は8日、保障性賃貸住宅(中低所得者向け住宅)向け融資に関し、「制限対象に含まない」とする声明を発表している。人民銀は昨年1月、不動産デベロッパー向け融資を一定水準まで減らすよう市中銀行に指示していたが、緩和に舵を切った格好だ。当局はこのところ、インフラプロジェクトの加速など景気テコ入れスタンスを鮮明化している。米株高も追い風。昨夜の米市場では、主要企業の好決算を手がかりに、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.3%高と反発した。ADR上場する中国ネット株も軒並み買われている。香港では「ニューエコノミー」関連銘柄で構成されるハンセン科技指数が3.7%高と反発し、他の指数をアウトパフォームした。(亜州リサーチ編集部)


「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。動画配信プラットフォーム大手のビリビリ(9626/HK)が8.5%高、Eコマース中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が6.8%高、企業向けソフトウエア開発大手の金蝶国際軟件集団(金蝶国際ソフト:268/HK)が5.6%高と上げが目立っている。アリババに関しては、ソフトバンクグループ(SBG:9984/東証1部)による保有株売却の懸念後退もプラス。SBGの孫正義・社長は8日の決算説明会で、保有するアリババ株を大量売却していないと説明した。


管理サービスやデベロッパーの中国不動産セクターも高い。碧桂園服務HD(6098/HK)が4.4%、世茂服務HD(873/HK)が3.5%、融創服務HD(1516/HK)が3.3%、世茂集団HD(813/HK)が5.3%、広州富力地産(2777/HK)が3.2%ずつ上昇した。


中国自動車セクターも急伸。小鵬汽車(9868/HK)が8.0%高、広州汽車集団(2238/HK)が6.1%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.5%高で引けた。小鵬汽車については、深セン・香港の証券相互取引で対象銘柄に採用されたことが手がかり。本土投資家の買いが期待された。広州汽車集団は販売好調も支援材料。今年1月の新車販売は前年同月比で9.2%増加し、3カ月連続のプラス成長を達成した。


非鉄関連の銘柄群も物色される。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が9.2%高、五鉱資源(ミンメタルズ・リソーシズ:1208/HK)が5.8%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.2%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.4%高で取引を終えた。資源高を材料視。昨夜のロンドン金属取引所(LME)では、アルミ先物が約13年ぶりの高値水準に上昇した。


一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.79%高の3479.95ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。発電株、素材株、医薬品株、ハイテク株、運輸株、娯楽・メディア株なども買われた。半面、銀行株は安い。エネルギー株も売られている。

亜州リサーチ(株)《FA》

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