21日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で3日続伸、レジャー・飲食関連に買い

2022年1月21日 18:05

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記事提供元:フィスコ


*18:05JST 21日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で3日続伸、レジャー・飲食関連に買い
21日の香港市場は、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比13.20ポイント(0.05%)高の24965.55ポイントと小幅ながら3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も25.74ポイント(0.26%)高の8787.30ポイントと続伸した(ハンセン指数は約2カ月ぶりの高値)。売買代金は1541億7260万香港ドルやや縮小している(20日は1783億7350万香港ドル)。


中国人民銀行(中央銀行)の緩和スタンスが相場を支える流れ。人民銀は朝方、リバースレポ取引を通じ、前日に続き厚めの資金を市中に供給した。また、金融調節ツールの常設貸出ファシリティ(SLF)の金利は21日から引き下げられている。20日に公表された銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、市場の予想通り、1年物と5年物がそろって引き下げられた。中国景気の鈍化懸念がくすぶる中、当局は経済対策を強めるとの見方も強まっている。もっとも、上値は重い。前日に急伸した反動もあり、指数は安く推移する場面もみられた。米金融政策の不透明感や、中国・香港で新型コロナウイルス感染抑制のため行動規制が強化されていることも懸念されている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.3%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が4.2%高、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が4.1%高と上げが目立った。


セクター別では、旅行やカジノなどレジャー関連が高い。携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が7.9%、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が5.8%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が2.8%、中国南方航空(1055/HK)が1.4%、北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が5.9%、海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が3.3%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.3%、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が2.2%ずつ上昇した。業況改善の期待が高まる。国務院(政府)は20日、旅行業の第14次5カ年計画(2021〜25年)を公表し、新型コロナウイルスの抑制を前提に、出入国規制を徐々に緩和する方針を示した。


半面、スマートフォン部材や半導体などハイテク関連はさえない。瑞声科技HD(2018/HK)が5.7%安、舜宇光学科技(2382/HK)が3.2%安晶門半導体(ソロモン・システック:2878/HK)が3.6%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.4%安で引けた。


教育サービスの銘柄群も安い。希望教育集団(1765/HK)が8.3%、中国宇華教育集団(6169/HK)が2.4%、民生教育集団(1569/HK)が2.0%、中国東方教育HD(667/HK)が1.9%ずつ下落した。


一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.91%安の3522.57ポイントで取引を終了した。医薬品株が安い。ITハイテク株、石油株、自動車株、素材株、公益株、金融株、メディア関連株なども売られた。半面、旅行関連株は高い。酒造・食品飲料株、石炭株、不動産株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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