米ハイテク関連株高の流れを引き継ぐも海外勢の動き鈍い【クロージング】

2022年1月17日 16:02

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記事提供元:フィスコ


*16:02JST 米ハイテク関連株高の流れを引き継ぐも海外勢の動き鈍い【クロージング】
17日の日経平均は3営業日ぶりに反発。209.24円高の28333.52円(出来高概算9億9000万株)で取引を終えた。14日の米国市場で、値ごろ感などからハイテク株中心に買われ、SOX指数が2%を超える上げとなったほか、ナスダック指数も反発したため、半導体関連株など値がさハイテク株中心に買い戻され、前場中盤に28449.99円まで上伸した。

ただ、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大が続くなか、東京など首都圏でもまん延防止等重点措置の適用を検討する動きが出るなど、経済活動の再停滞への懸念も強く、買い一巡後は28300円台でもみ合っていた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の過半数超を占めた。セクター別では、鉱業、ゴム製品、パルプ紙、輸送用機器、精密機器など26業種が上昇。一方、鉄鋼、海運、保険、金属製品など7業種が小幅に下落した。

指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、オリンパス<7733>、NTTデータ<9613>、アステラス薬<4503>が堅調だった半面、オムロン<6645>、資生堂<4911>、エムスリー<2413>、ヤマトHD<9064>、安川電<6506>が軟化した。

直近の株価下落の反動に加え、14日の米ハイテク株高、1ドル=114円台半ばまで円安が進んだこともあって、取引開始直後から買い優勢スタート。また、3月末までに運用が始まる10兆円規模の大学ファンドからの資金流入期待も広がり、投資マインドを改善させる要因になった。

さらに、「日銀が17日から開く金融政策決定会合で、原油をはじめとする原材料価格の上昇などを踏まえ、2022年度の物価見通しをプラス1%台に引き上げる方向で議論する」などと一部で伝わり、関係者からは「マイナス金利が解除される可能性もないわけではない」との指摘も聞かれ、金融株が堅調に推移していたことも相場を支えていたようだ。

ただ、国内でもオミクロン株の感染が拡大しているだけに、経済活動の再停滞への警戒感が根強い。また、本日の米国市場はキング牧師生誕の日で休場となるだけに、海外投資家の動きも鈍いほか、国内ではマザーズ指数の下落基調が続いているだけに、個人投資家の投資余力の減退への懸念もあり、先行き不透明感は拭えておらず、買い戻しの域を抜け出ていないようだ。《FA》

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