米国株の上昇を映して買い戻しの動きが優勢に【クロージング】

2022年1月12日 16:05

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記事提供元:フィスコ


*16:05JST 米国株の上昇を映して買い戻しの動きが優勢に【クロージング】
12日の日経平均は4営業日ぶりに反発。543.18円高の28765.66円(出来高概算11億9000万株)で取引を終えた。前日までの3営業日で約1110円、率にして3.8%下落していたなか、前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の公聴会後の米国株高もあって、主力株中心に買い戻しの動きが強まった。半導体など値がさハイテク株中心にほぼ全面高の展開となった。前引けにかけて28700円を回復した後は高値もちあいが続くなど、午後に入っても買いは継続し、大引けにかけて一時28814.31円まで上げ幅を広げた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄が1900を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、電気ガスと保険を除く31業種が上昇し、鉱業、海運、金属製品、機械、不動産などの上げが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、信越化<4063>が堅調だった半面、エーザイ<4523>、デンソー<6902>、エムスリー<2413>、第一三共<4568>、KDDI<9433>が軟化した。

パウエルFRB議長は上院での再任指名公聴会で「バランスシートに関する決定は2~4回の米連邦公開市場委員会(FOMC)をかけて行う」と述べたため、関係者の間には「急激な金融引き締めに対する懸念が和らいだ」との見方が台頭。米国株が上昇した流れを引き継いで、買いが先行してスタートした。また、上昇傾向を強めていた米長期金利が低下していることもあり、グロース株を中心に買い戻しを強める要因になったようだ。日経平均は足元で上値として意識されていた25日線水準を突破し、200日線水準も捉えてきたことから、投資家心理が上向いていた。

一方、次の焦点としては、今夜発表の12月の米消費者物価指数(CPI)が注目されている。市場予想では前年比7.0%増と前月の6.8%増よりさらに加速する見込みだ。このため、市場想定を大きく上回ったCPIを受けて、再び米国で金融引き締めが強く意識されてくるのか見定めたいと考える向きも多くいた。《FA》

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