トルコリラ円は、止まらないインフレ高進を背景に上値の重い展開になろう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)

2022年1月6日 17:41

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記事提供元:フィスコ


*17:41JST トルコリラ円は、止まらないインフレ高進を背景に上値の重い展開になろう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。

陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『止まらないインフレ高進を背景に上値の重い展開になろう』と述べています。

3日発表された21年12月のトルコ消費者物価指数(CPI)について、『前年同月比36.08%の上昇となった。市場予想で見込まれた30.6%を大幅に上回った。前月は21.31%の上昇。通貨リラの急落を背景に、インフレが急加速した。36%超の上昇は02年9月以来の高い水準。12月CPIは前月比で13.58%の上昇だった。生産者物価指数(PPI)は前年同月比79.89%上昇だった』と伝えています。

次に、『トルコ中銀は、昨年12月の会合で政策金利を15.0%から14.0%に引き下げた。インフレが加速している中で利下げしたことで、リラは介入効果もなく連日最安値を更新していたが、エルドアン大統領が12月20日に、国民に預金保証の措置を確約したことでリラは急上昇に転じた』とし、『これは、リラのドルに対する下落率が預金金利を上回れば、満期を迎えた段階で政府が銀行を通じて差額を上乗せして払い戻すというもの。リラの下落幅に応じて預金者は多くの利息を得ることになる仕組みで、市民の外貨への換金加速によるリラ安に歯止めがかかると期待された。今回の措置が実施されれば、預金者にとっては実質的な金利引き上げになる』と解説しています。

一方で、『年明けに発表されたインフレ加速を受けて名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は−22.08%と大幅にマイナスとなり、再びリラ安を引き起こす可能性がある。預金者に為替の差額を支払うための国庫負担の増大も懸念されよう』と言及しています。

また、『トルコ中央銀行の昨年12月24日時点の純外貨準備が86億3000万ドルと前週の121億6000万ドルから減少し、2002年以来の低水準を付けていたことが分かった。中銀は通貨リラ相場防衛に向け、12月に外国為替市場に対する直接介入を5回実施したと発表。銀行関係筋が規模は合計60億~100億ドルに達したとしている』と伝えています。

こうしたことから、陳さんは、トルコリラ円の今週のレンジについて、『7.50円~10.50円』と予想しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の1月5日付「トルコリラ円今週の予想(1月4日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜《FA》

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