三洋貿易は21年9月期大幅増収増益、22年9月期小幅営業・経常増益予想だが上振れ余地

2021年11月8日 08:32

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  三洋貿易<3176>(東1)は11月5日の取引時間終了後に21年9月期連結業績を発表した。木質バイオマスの大型案件も寄与して大幅増収増益だった。自動車関連は第4四半期に減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。22年9月期は不透明感を考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としているが、期初時点では保守的な傾向が強いだけに上振れ余地がありそうだ。なお新・中期経営計画も発表している。収益拡大基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形となったが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■21年9月期大幅増収増益、22年9月期小幅営業・経常増益予想

 21年9月期連結業績は売上高が20年9月期比18.0%増の897億88百万円、営業利益が14.9%増の55億06百万円、経常利益が17.4%増の61億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が41.3%増の42億56百万円だった。配当は20年9月期比1円50銭増配の39円(第2四半期末19円、期末20円)とした。

 木質バイオマスの大型案件も寄与して大幅増収増益だった。自動車関連は第4四半期に半導体・部品不足に伴う完成車メーカー減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。

 化成品は売上高が14.5%増の315億34百万円で営業利益(全社費用等調整前)が56.9%増の20億17百万円だった。ゴム関連商品は供給ひっ迫と仕入価格高騰が顕在化したが、自動車向けや家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が好調だった。化学品関連商品も主力の塗料・インキ向けが好調だった。

 機械資材は売上高が10.7%増の334億14百万円で営業利益が7.7%増の36億65百万円だった。産業資材関連では自動車向けシート周辺部材が期末にかけて減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。機械・環境関連商品では木質バイオマスの大型案件も寄与した。資源開発関連商品は海洋開発関連機材や地熱開発機材が好調だった。

 海外現地法人は売上高が35.4%増の246億89百万円で営業利益が16.5%増の9億78百万円だった。米国は高吸水性樹脂やフィルム、中国(上海)は自動車関連商品や電池材料、タイはゴム関連や自動車部品、メキシコは自動車関連部品、ベトナムは塗料・インキ関連、インドネシア(新規連結)はゴム関連が好調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円、第4四半期は売上高213億63百万円で営業利益4億23百万円だった。第4四半期は完成車メーカー減産の影響を受けた。

 22年9月期の連結業績予想は売上高が21年9月期比4.7%増の940億円、営業利益が5.3%増の58億円、経常利益が1.8%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が1.3%減の42億円としている。配当予想は21年9月期と同額の39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。

 半導体・部品不足に伴う完成車メーカー減産の影響など、不透明感を考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としているが、期初時点では保守的な傾向が強いだけに上振れ余地がありそうだ。なお新・中期経営計画を発表し、目標値に23年9月期売上高1100億円、経常利益75億円を掲げた。収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は上値を切り下げる形となったが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月5日の終値は1131円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円38銭で算出)は約8倍、時価総額は約328億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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