インフォマートは21年12月期通期業績・配当予想を上方修正

2021年10月30日 09:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  インフォマート<2492>(東1)は、10月29日の取引時間終了後に21年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。先行投資の影響で減益だが、計画に倒して売上高・利益とも上振れて着地した。そして通期業績予想および配当予想を上方修正した。緊急事態宣言および飲食店への営業規制の解除に伴って食材等の流通金額が回復基調であり、22年12月期は収益拡大が期待できそうだ。株価は上場来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年12月期3Q累計減益だが計画超、通期業績・配当予想を上方修正

 21年12月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.6%増の71億54百万円、営業利益が13.7%減の9億08百万円、経常利益が11.9%減の9億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が18.3%減の5億85百万円だった。

 前年比では、新規契約数増加で2桁増収だが、ユーザー数拡大に対応したサーバー体制増強に伴うデータセンター費の増加、ソフトウェア償却費の発生、事業拡大に向けた営業および営業サポート人員補強に伴う人件費の増加など、先行投資の影響で減益だった。

 BtoB-PF FOOD事業は、売上高が3.5%増の51億07百万円で営業利益が16.4%減の16億66百万円だった。売上面は、受発注の買い手企業の新規契約数増加でシステム使用料およびセットアップ売上が増加したが、コロナ禍による飲食店の営業自粛・休業で食材流通金額が低調だったため、売り手企業の従量制システム利用料が前年並みにとどまった。

 BtoB-PF ES事業は、売上高が39.0%増の20億46百万円で営業利益が7億59百万円の赤字(前年同期は9億44百万円の赤字)だった。業務効率化やテレワーク進展などで請求書の新規有料契約企業数が増加し、増収効果で赤字縮小した。

 計画に対しては、新規契約数の増加などで売上高が計画を上回ったことに加えて、原価および販管費が計画よりも低く抑えられたため減益幅が縮小した。売上高は1億87百万円、売上総利益は3億15百万円、営業利益は4億50百万円、経常利益は5億22百万円、親会社株主帰属四半期純利益は3億14百万円、それぞれ上振れて着地した。

 また四半期別に見ると、第1四半期は売上高22億99百万円で営業利益3億83百万円、第2四半期は売上高23億94百万円で営業利益3億23百万円、第3四半期は売上高24億61百万円で営業利益2億02百万円だった。データセンター費およびソフトウェア償却費が第3四半期に発生した。

 通期連結業績予想は上方修正して、売上高が20年12月期比11.0%増の97億43百万円、営業利益が36.1%減の9億40百万円、経常利益が35.4%減の9億41百万円、親会社株主帰属当期純利益が47.8%減の5億29百万円としている。配当予想は期末16銭上方修正して1円10銭(第2四半期末47銭、期末63銭)とした。20年12月期比では2円61銭減配となる。

 従来予想に対して売上高は2億03百万円、営業利益は2億40百万円、経常利益は3億16百万円、親会社株主帰属当期純利益は1億04百万円上回り、減益幅が縮小する見込みだ。修正後の事業別計画は、BtoB-PF FOOD事業の売上高が4.0%増の69億57百万円で営業利益が20.1%減の21億47百万円、BtoB-PF ES事業の売上高が33.6%増の27億85百万円で営業利益が12億10百万円の赤字(20年12月期は12億18百万円の赤字)としている。

 緊急事態宣言および飲食店への営業規制の解除に伴って食材等の流通金額が回復基調であり、22年12月期は収益拡大が期待できそうだ。

■株価は上値試す

 株価は上場来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月29日の終値は1110円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2円32銭で算出)は約478倍、時価総額は約2880億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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