カインズ、デジタルサービス開発のオフショア拠点をインドに TCSと連携強化

2021年10月12日 17:37

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 カインズは11日、デジタルサービス開発を行うオフショア拠点「カインズ・オフショア・ディベロップメントセンター」を立ち上げ、2021年9月より本格稼働を開始したと発表した。テクノロジーパートナーであるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)と連携し、インド・チェンナイのTCS施設内に開設した。カインズは今後、同センターを含め国内外でデジタルサービスの開発を進め、「IT小売企業」へ向けた企業変革を加速させていくという。

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 今回の立ち上げの背景には、カインズが掲げている中期経営計画「PROJECT KINDNESS」(2019~2021年度)がある。同中期計画では、2019年以降を「第3の創業」と位置づけ、持続的な成長に向け、デジタルを活用して小売サービスを提供する「IT小売企業」を目指している。その柱の1つに「デジタル戦略」があり、「わずらわしさ解消からEmotionalな体験の創造」を目指し、オンラインと店舗を融合した新しい顧客体験の創造に取組んでいる。

 同中期計画に沿い、カインズはデジタルシフトを着実に推進。2019年1月、デジタルシフトの旗振り役となる社内組織「デジタル戦略本部」を新設。同時期に変革拠点として「CAINZ INNOVATION HUB」を開設し、IT人材の採用も着手した(2021年10月11日時点で、デジタル戦略本部は約180名体制)。

 その後はまず、店員向けに、店舗で商品を探す・確認する手間を省く売り場・在庫検索アプリ「Find in CAINZ」を約4カ月で開発し、業務効率化を実現。それをベースに、顧客向けの「CAINZアプリ」に商品の売り場位置や在庫確認ができる機能を追加し、2020年2月にリリースした。店員向けアプリの開発には、試作段階のアプリを店員に試してもらい意見ヒアリングし改善するアジャイル開発の手法を活用。技術開発はTCSの支援を受けて進められた。

 併せて社内のデータ整備も実施。必要なデータをすぐに使えるAPI群を「部品庫」として設計し、データ活用環境の整備を行った。これが約4カ月という短期間でのサービス開発のベースとなった。こうした一連の取組みが評価され、カインズは2021年6月、日経コンピュータ主催の優れたIT事例を表彰する「IT Japan Award 2021」で、グランプリを受賞した。

 今回立ち上げたカインズ・オフショア・ディベロップメントセンターも、カインズが進めるデジタル戦略の1つとなる。同センターのリーダーシップはカインズが持ち、社内の開発部隊とオフショア拠点の専任エンジニアを1つのチームとして開発を進める。

 今後はさらに開発スピードを加速させ、消費者の行動変化に対応できる柔軟なデジタルサービスの開発を目指すという。また、デジタル戦略本部の強化も進め、2025年2月期には430名体制(内、オフショア130名)とする方針だ。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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