サイバリンクス Research Memo(5):第2四半期の営業利益は前年同期比21.8%増、流通クラウド事業が好調

2021年10月8日 15:15

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記事提供元:フィスコ


*15:15JST サイバリンクス Research Memo(5):第2四半期の営業利益は前年同期比21.8%増、流通クラウド事業が好調
■業績動向

1. 2021年12月期第2四半期の業績概要
サイバーリンクス<3683>の2021年12月期第2四半期の連結業績は、売上高6,862百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益578百万円(同21.8%増)、経常利益583百万円(同19.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益406百万円(同23.4%増)となった。セグメント別では、流通クラウド事業は、卸売業向けのEDIサービス「クラウドEDI-Platform」や、小売業向けEDIサービス「BXNOAH」、棚割システム「棚POWER」シリーズ等クラウドサービスの提供が拡大したことで定常収入が着実に増加したことに加え、ソフトウェア償却費も減少したことから利益率が向上し、増収増益となった。官公庁クラウド事業は、防災行政無線デジタル化工事等の特需がけん引し、増収増益となった。新たにセグメント分けされたトラスト事業は、先行投資の段階であることから、増収ながら損失を計上した。モバイルネットワーク事業は、前年同期にコロナ禍に伴う営業時間短縮等の影響で落ち込んだ端末販売台数が回復し、増収増益となった。

経常利益(前年同期比95百万円増)の増減要因を分析すると、流通クラウド事業は86百万円の増益であったが、内訳は収入増(主に定常収入の拡大)による増益81百万円、ソフトウェア償却費減少による増益48百万円、販管費等の費用増による減益43百万円であった。官公庁クラウド事業は19百万円の増益であったが、第1四半期に防災行政無線デジタル化工事等の特需があったこと及び販管費が減少したことなどによる。トラスト事業は87百万円の減益であったが、引き続き新サービス開発に注力したことで研究開発費が増加したことによる。モバイルネットワーク事業は56百万円の増益であったが、コロナ禍の影響を受けた前年同期から端末販売台数が回復したことによる。また全社関連で20百万円の増益となったが、本部費用を含めた各種経費の減少が主要因となる。

2. セグメント別状況
各セグメントの状況は以下のとおり。

(1) 流通クラウド事業
セグメント売上高は前年同期比4.3%増の1,842百万円、定常収入は同3.3%増の1,626百万円、セグメント利益は同67.3%増の215百万円、セグメント利益率は11.7%となった。定常収入が着実に増加したこと及びソフトウェア償却費の減少により、収益性が大きく改善した。

卸売業務向けEDIサービス「クラウドEDI-Platform」や小売業向けEDIサービス「BXNOAH」、棚割システム「棚POWER」シリーズ等の提供拡大により定常収入が伸長し、増収となった。費用面では、流通業界における商談のDXを実現する企業間プラットフォーム「C2Platform」の新機能開発等にかかる研究開発費が増加した一方、中大規模向け「@rms基幹」開発の一段落に伴いソフトウェア償却費が減少した結果、セグメント利益は増益となり、セグメント利益率も上昇基調となっている。

トピックスとしては、凸版印刷<7911>と2021年5月に流通DX分野で業務提携した。凸版印刷が提供する販促支援システムと同社の「C2Platform」を連携させ、商談から営業企画・販促までをシームレスに繋ぐことで小売業における業務効率化・データ利活用を加速させる。すぐに業績に直結するものではないが、2022年12月期以降に「C2Platform」の拡販に寄与すると思われる。

(2) 官公庁クラウド事業
セグメント売上高は前年同期比3.4%増の3,372百万円、セグメント利益は同5.6%増の370百万円となった。防災行政無線デジタル化工事やGIGAスクール関連案件などの特需は2021年12月期第1四半期でおおむね終了し、第2四半期はやや軟調となったものの、第2四半期累計では増収増益を維持した。

トピックスとしては、2021年4月に、大阪府内23自治体より自治体専用チャットツールの導入を受託したことに加え、6月には大阪府内8自治体より行政手続デジタル化ツールの導入を受託した。これらの案件は規模的には必ずしも大きくはないが、デジタル庁発足を契機とした国・自治体業務のデジタル化が急速に進むと考えられることから、実績を残すことで大きな効果が期待できる。

(3) トラスト事業
セグメント売上高は前年同期比632.9%増の46百万円、セグメント損失は119百万円(前年同期は32百万円の損失)となった。タイムスタンプ対応ワークフロー「TsunAG」の導入により増収となった。一方で、新サービス開発に注力しビジネス展開の準備を進めたほか、マイナンバーカードをベースとした新たなトラストサービス開発のため人員の増強を図り研究開発投資を積極的に実施したことから、セグメント損失が拡大した。

トピックスとしては、2021年5月に、エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>と不動産取引決済デジタル化で業務提携した。同社が保持するマイナンバーカードを活用した電子証明書の機能を、エスクロー・エージェント・ジャパンが提供する非対面決済サービスに付加することで、売買契約等の完全オンライン化を目指す。そのほか、同社の電子委任状サービス「マイナトラスト電子委任状」が、政府の電子調達ポータル及び政府電子調達(GEPS)に採用され、2021年8月から稼働を開始した。

(4) モバイルネットワーク事業
セグメント売上高は前年同期比17.7%増の1,601百万円、セグメント利益は同29.5%増の246百万円となった。

コロナ禍に伴う緊急事態宣言発出を受け、2020年4月から5月にかけてドコモショップの営業時間短縮及び業務縮小の措置を講じたことから、前年同期は一時的に端末販売台数が大幅に減少したが、2021年12月期上期は端末販売台数が回復し、増収増益となった。なお、2021年3月に投入されたオンライン限定の格安プラン「ahamo」は、ドコモに対する消費者心理の改善に寄与した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《YM》

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