10日の香港市場概況:ハンセン1.9%高で3日ぶり反発、ゲーム株に買い戻し

2021年9月10日 18:21

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記事提供元:フィスコ


*18:21JST 10日の香港市場概況:ハンセン1.9%高で3日ぶり反発、ゲーム株に買い戻し
10日の香港市場は、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比489.91ポイント(1.91%)高の26205.91ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が203.26ポイント(2.21%)高の9386.84ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は1498億3330万香港ドルにやや縮小している(9日は1659億9910万香港ドル)。


ゲーム規制の過度な警戒感が後退している。香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは9日夜、同紙が「中国政府は、オンラインゲームの審査・承認を一時的に停止したもよう」と報道したことに関し、審査の「一時停止」から「遅延」に記事内容を訂正した。産業引き締めの不安が払しょくされたわけではないものの、ひとまず落ち着きをみせている。前日に急落した騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.1%高(前日は8.5%安)、網易(ネットイース:9999/HK)が3.1%高(前日は11.0%安)とそろって反発した。


米中協議の再開も投資家心理を上向かせる。取引時間中に、米中首脳が電話会談したと報じられた。中国国営メディアによれば、両国関係などについて戦略的に協議し、実務者レベルの対話を増やす方針で合意したという。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が7.4%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が4.7%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が4.3%高と上げが目立った。


セクター別では、中国の証券が高い。中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が3.1%、中信証券(6030/HK)が2.9%、海通証券(6837/HK)が2.8%、華泰証券(6886/HK)が2.7%ずつ上昇した。本土株市場の活況がプラス。上海・深セン市場の売買代金が前日まで、37日連続で節目の1兆人民元を上回る中、手数料収入の伸びが意識されている。また、早ければ11月にも中国本土、香港、マカオで幅広い理財商品(資産運用商品)を相互に購入できるようにする「越境理財通」がスタートする見通し——と伝わったことも支援材料だ。


中国不動産セクターもしっかり。華潤置地(1109/HK)が3.9%高、龍湖地産(960/HK)が3.7%高、広州富力地産(2777/HK)が3.5%高、融創中国HD(1918/HK)が3.0%高で取引を終えた。このほか財務不安のある中国恒大集団(3333/HK)が2.0%高。同社に関しては、「恒大の借入金返済猶予を巡り、国務院金融安定発展委員会が先月時点で債権行などと協議することに同意したもよう」などと伝えられた。


半導体セクターも物色される。上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.8%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.3%高、晶門半導体(ソロモン・システック:2878/HK)が2.3%高、華虹半導体(1347/HK)が2.2%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が2.1%高で引けた。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.27%高の3703.11ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。金融株、素材株、海運株、不動産株、食品飲料株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。自動車株、医薬品株、公益株も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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