フィスコ、通期予測を上方修正 純利益は当初予想の6.5倍に

2021年9月1日 16:31

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■持分法適用会社の除外に伴い、純利益は過去最高益へ

 金融情報提供会社のフィスコ(3807)は8月31日、21年12月期の業績予想の修正を発表。売上高は前回予想の10億9400万円から3.2%増の11億2900万円(前期比0.9%増)、営業利益は同じく9100万円より38.3%増の1億2500万円(同104.9%増)、経常利益は2億8500万円より15.0%減の2億4300万円(前期は1億2700万円の赤字)、純利益は8億7300万円より550.6%増の56億8400万円とした。

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 8月13日に21年12月期第2四半期の決算発表を行なったが、前期を上回る業績を見せていた。売上高は前年同期比18.3%増の5億3100万円、営業利益は1900万円(前期は9600万円の赤字)、経常利益は1億9500万円(同1億1300万円の赤字)、純利益は7億8500万円(同2700万円の赤字)だった。前期を上回る業績を発表したばかりのフィスコだが、特殊要因も重なり上方修正につながった。

■持分法適用会社の除外と対価受領に伴う特別利益計上

 今回の上方修正は、フィスコの持分法適用関連会社であった「Zaif Holdings」が要因だ。「Zaif Holdings」は、かつて仮想通貨取引所「Zaif」を運営していたテックビューロの1事業であったが、「仮想通貨流出事件」をきっかけに、フィスコに事業譲渡され、子会社化された歴史がある。

 その後、同じく上場会社である金融システム開発会社「CAICA」がZaif Holdingsの持分法適用関連会社として、共に経営への参画を行なってきたが、21年3月に、CAICAの子会社となることが発表されて以来、徐々にフィスコのZaif Holdings保有割合が減少。8月31日の発表で持分法適用関連会社から除外されることになった。

 結果、持分法適用関連会社から除外されたことによって持分法による投資利益が減少したことで、経常利益が減少。一方で、Zaif Holdingsの株式譲渡の対価として、CAICA株式の交付を受けた関係で、特別利益が発生し、過去最高益を計上することなった。尚、Zaif Holdings譲渡後も事業としての交流は図る見込みだ。

■特別要因はあるものの、足元業績は良好

 特殊要因による最高益が見込まれるものの、実際の事業環境は比較的堅調である。特に個人投資家向けに提供を行なっている個人向けサービス「クラブフィスコ」の売り上げが伸長しており、株式市場が活況な中、最新の金融情報を求めた個人投資家が増えている状況。有益な金融情報を提供しているフィスコとしては、優良な顧客が増えている点は極めて望ましい状況であろう。

 その他、外注費削減等コスト面で見直せる点を洗い出し、実行することでより筋肉質な体制となっている。引き続き金融市場は活況に推移することが予想されており、特別要因だけに囚われず主事業が堅調に推移することが見込まれる点は、大いに期待が持てるといえよう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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